防衛省海上幕僚監部に入った連絡によると、27日午後7時56分ごろ、本州と九州の境にある関門海峡で、海上自衛隊の護衛艦「くらま」(艦長・柏原正俊1等海佐)とコンテナ船が衝突、双方が炎上した。「くらま」側にけが人が1人出ているという。
第7管区海上保安本部によると、コンテナ船は韓国籍の「カリナスター」で7401トン。午後8時35分ごろ鎮火したといい、けが人や油漏れの情報は今のところない。
貨物船の韓国人の船長(45)は「前を走っていた船を追い越そうとしたときにぶつかった。前から(自衛隊の護衛艦が)来ているのはわかって、早めにかじを切ったがぶつかった。大きく揺れて、すぐに火が出た」と話した。コンテナを韓国・釜山から大阪に運んでいる途中だったと
防衛省によると、「くらま」は艦首部分が激しく損傷し、炎上しているという。消火作業の際に乗員一人がやけどを負った。
「くらま」は佐世保基地(長崎県)の第2護衛隊群に所属するヘリ搭載型護衛艦で、進水は79年。25日に神奈川県の相模湾であった観艦式に参加したのち佐世保に戻る途中で、296人が乗っていた。負傷者1人は右足にやけどを負ったという。このほか2人が煙を吸って気分が悪いと訴えているという。
下関地方気象台によると、午後8時ごろの関門海峡の天候は快晴で風はほとんどなかったが、空気の乾燥のため乾いた微粒子が空気中に浮き、視程が妨げられる「煙霧」の状況にあったという。ただ、防衛省側は「くらま」からの情報として「視界も3〜4キロで悪くはなかった。波もほとんどなかった」としている。
北沢俊美防衛相には、海上幕僚監部から午後8時10分ごろ衝突の一報が報告された。