埼玉県富士見市の駐車場の乗用車内で8月、東京都千代田区の男性会社員(当時41)の遺体が見つかり、施錠された車内に車の鍵がなかったことが県警の調べでわかった。体内から睡眠導入剤も検出されたことから、県警は殺人容疑で捜査を始めた。交際相手の東京都豊島区の無職の女(34)が関与している疑いがあるとみて調べる。5月に火災で死亡した千葉県内の無職男性(当時80)宅にも女が訪問ヘルパーとして通っており、関連を捜査している。
捜査関係者によると、車内で死亡していたのは不動産管理会社員大出嘉之さん。8月6日朝、富士見市針ケ谷2丁目の駐車場に止めたレンタカーの後部座席で死亡しているのを通行人に発見された。助手席には練炭の燃えかすがあり、死因は一酸化炭素中毒だった。
その後、大出さんの血液中から睡眠導入剤の成分が検出され、施錠された車内から鍵が見つからないことから、県警が捜査を始め、大出さんと交際していた女が遺体発見前日に一緒に駐車場にいたことがわかった。
捜査関係者によると、女はインターネットを通じて大出さんと知り合い、「大出さんと駐車場でけんかになり別れた」「別れたショックで自殺したのでは」と説明。大出さんに結婚準備のために約500万円を振り込ませていたこともわかった。
県警は、長野、静岡両県の男性らから計約330万円をだまし取った詐欺容疑で女を9月に逮捕。今月21日には別の詐欺未遂容疑で再逮捕した。いずれの容疑も、インターネットの出会い系サイトで知り合った男性に結婚話を持ちかけ、専門学校卒業のための学費などと称して金を要求する手口が似ているという。
大出さんは遺体発見前日、インターネットの自分のブログに「今夜から(結婚の)相手と旅行に行く」と書き込み、自殺をうかがわせるような点はなかったという。
一方、5月15日、千葉県野田市の民家で火災があり、この家に住む安藤建三さんが死亡した。安藤さんは体が不自由で、女が訪問ヘルパーとして通っていたという。屋内に練炭の燃えかすがあり、遺体から睡眠導入剤の成分が検出された。女が安藤さんの口座から現金を引き出していたことも確認された。
他にも、女とインターネットで知り合ったとみられる千葉県内と都内の男性2人が死亡しており、千葉、埼玉両県警が関連を調べている。