御岳山の火山活動について、最新の調査結果を関係者が共有した初会合 |
国土交通省多治見砂防国道事務所や長野、岐阜両県などは26日、両県境の御岳山の噴火対策を考える「御嶽山火山噴火緊急減災対策砂防計画検討会」の初会合を岐阜県中津川市内で開いた。
御岳の北側で、両県の現行の「火山防災マップ」が想定していない火砕流が約1万年前に起きたことなど、新事実が近年明らかになったことを受けた。3年かけて緊急時の火山監視態勢などを盛った防災計画を作成し、マップ見直しも進める。
検討会は同事務所や両県のほか、山ろく市町村関係者、有識者ら30人余で構成。信大農学部の平松晋也教授を座長に選んだ。同事務所の委託で地質調査をするアジア航測(東京)の技術士が、北側の火砕流を含め「過去1万年間に少なくとも4回のマグマ噴火があったことが新たに分かった」と報告。その火口の分布も、従来知られていた範囲より広かったと説明した。
検討会は、本年度末にかけて減災対策の基礎となる「噴火シナリオ」を作成する。来年度以降、緊急時の住民らへの情報提供方法や、砂防施設の必要性などを検討する。検討会に出席した木曽町三岳支所の外戸賢二支所長は「より良い火山防災マップができれば住民も安心できる」と話していた。