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URL事件判決

児童ポルノをアップした他人のサイトのURLを掲載することは、児童ポルノの公然陳列罪であるという判決がでた。

判決の一部

(6)以上にみたところからすれば,他人がウェブページに掲載した児童ポルノのURLを明らかにする情報を他のウェブページに掲載する行為は,当該ウェブページの閲覧者がその情報を用いれば特段複雑困難な操作を経ることなく当該児童ポルノを閲覧することができ,かつ,その行為又はそれに付随する行為が全体としてその閲覧者に対して当該児童ポルノの閲覧を積極的に誘引するものである場合には,当該児童ポルノが特定のウェブページに掲載されていることさえ知らなかった不特定多数の者に対しても,その存在を知らしめるとともに,その閲覧を容易にするものであって,新たな法益侵害の危険性という点においても,行為態様の類似性という点においても,自らウェブページに児童ポルノを掲載したのと同視することができるのであるから,児童ポルノ公然陳列に該当するというべきである。

要するに、自分がサーバにアップする行為と、URLを掲載する行為が同視できるというらしい。

しかし、この判決の射程範囲は、限りなく広い。

一部では、「同視」という言葉は大人気のようである。

そりゃそうである。当罰性を理由に、「同視できる」と言いさえすれば何でも有罪にできるからである。

学者にとっても「同視できる」と言いさえすれば、理論破綻から「同視できない」「いやできる」のレベルの口げんかに論理をすり替えることができる。刑法学者の中には、「死後生々しい死体なら生きている人と同視できる」という愚かな人もいるほどである。

しかし、同視というミラクルワードで、なんでもかんでも構成要件に含むのであれば、構成要件など要らない。

ナチス刑法もびっくりな世界がこの国にはある。闘うべきものは、まだまだ尽きない。

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