上野紘郁プロフィール
医学博士1964年3月、金沢大学大学院医学研究科修了。金沢赤十字病院産婦人科部長、金沢大学講師を経て石川県、富山県などの総合病院医長を歴任。
1977年、日本初の代替医療の学術分野、日本補完・代替医療学会設立に貢献し、理事長を務めた後、2001年12月に日本臨床代替医学会を設立、理事長に就任。 中国安徽医科大学客員教授、新潟薬科大学客員教授就任。
1998年に新潟市内に、あさひ医王クリニックを開設。 全国から来院する、ガン、アトピー、肝臓病などの患者を独自処方の代替療法で治療する名医として話題を集めている。
健康雑誌やビジネス誌の原稿を執筆するかたわら、講演活動に飛び回っている。
ホルミシス療法とは
ホルミシス療法とは低線量の放射線がもつ生理学的な活性機能を利用した療法のことです。放射線というと悪いものというイメージをもつ人も多いのですが、実は自然界にも存在し、わたしたちは日頃から気付かないうちに放射線を浴びているのです。多量の放射線を受けることは身体にとってよくありませんが、低線量の放射線は代謝を高めて免疫機能を向上させ、抗酸化酵素を活性化することでホルモンの円滑な分泌につながるという効果があることが認められました。また、ガン抑制遺伝子を活性する作用があるということも報告されています。現在ではガン治療をはじめ、さまざまな健康増進目的で利用されています。低量ですから、病院で行うような放射線治療とは違い、副作用はありません。有名になった秋田県の玉川温泉で行われている岩盤浴は、ラジウム鉱石という低量の放射線を出している岩の上に横たわることにより、この効果を利用するものです。わたしのクリニックでも同じラジウムの効果を利用した岩盤浴ができるようになっており、多くの方が利用しています。
上野紘郁
≪放射線ホルミシス療法専用岩盤浴≫に就いて
日本臨床代替医学会理事長
医療法人社団三和会 あさひ医王クリニック院長
医学博士 上野紘郁
放射線ホルミシス療法専用岩盤浴に就いて
最近、日本各地で岩盤浴ブームが起こっているが、一般に発汗による解毒(デトックス)とダイエット効果を期待してのブームである。
しかし、より健康維持と病気の予防には、放射線(ラジウム)を含んだ鉱石による岩盤浴が良い。微量の放射線を浴びると、癌やアレルギーを抑制し、また若返りを促進するといわれ、放射線を出す岩盤浴が注目されている。
日本でラジウム温泉として名高いのは、秋田県の玉川温泉、鳥取県の三朝温泉、山梨県の増富温泉などがあり、日本全国から慢性病といわれるリウマチ、痛風、動脈硬化、高血圧症、糖尿病、喘息、アトピー性皮膚炎、癌等、多くの患者さんが治療(温泉療法)に訪れています。
外国では、オーストリアのバードガシュタインにある、金鉱の坑道跡には自然界2.4ミリシーベルト/年の、3,000倍といわれる、ラドンガスが充満しており、様々な病気(リウマチ、神経痛、血流障害、老化予防、関節痛)の治療に利用され、難病の治療と健康維持に効果をあげている。
生物は自然界が放出している微量の放射線により、生命活動を活発にし、健康効果を出している。
ホルミシス効果とは・・・
1982年、ミズーリ大学のトーマス・D・ラッキー教授が、「低レベルの放射線を浴びると、生体の様々な活動を活性化する」生体効果を『ホルミシス効果』と発表し、世界中の放射線学者の注目を浴び、多くの研究がなされるようになった。(1982年12月号 米国保健物理学雑誌)
具体的に、ホルミシス効果とは、次のごとく証明されています。
1.ガン抑制遺伝子(p53)の活性化
低線量の放射線により、がん抑制遺伝子(p53)が、活性化され、ガン細胞の増殖を抑制し、DNAの損傷を修復したり、修復不可能な不良細胞を自発的な細胞死(アポトーシス)に導く働きをします。(奈良医大の大西教授ら)
2.ヘルパーT細胞を活性化
低線量の放射線を照射すると、免疫リンパ球であるヘルパーT細胞が活性化し、悪性リンパ腫や肝癌等の患者に手術や高線量放射線の局所照射だけの5年生存率が50%に比較し、84%と大きな効果が得られています。(免疫機能向上)
ヘルパーT細胞が活性化すると、キラーT細胞やNK細胞、B細胞を増やし、免疫を高める重要な役割をしています。
【東北大名誉教授 坂本澄彦博士 日本放射線腫瘍学会誌9巻、1997年】
3.活性酸素抑制酵素を増加させ、細胞膜の膜透過性を高める。
活性酸素は、病気を起こしたり、憎悪させる働きがあるので、これを抑える必要がある。この活性酸素を抑えるのが、グルタオチン・ペルオキシターゼ(GPX)や、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)等の、抗酸化酵素である。
この抗酸化酵素は、低線量の放射線を照射すると増加し、細胞膜の過酸化資質を減少させ、膜の透過性が改善することで様々な病気が回復したり、若返りが期待できる。
(岡山大学 森昭胤教授、山岡研究員)
4.各種ホルモンの分泌増加も、体調を常に良い状態を保つ。
まず、インスリンの分泌を増加し、糖尿病の発症を抑えたり、血糖値を改善する。
U型糖尿病モデルマウスに、約80週間、低レベルの放射線を連続して照射した実験で、約20週を過ぎてから、12匹中、3匹の尿糖値が改善された。
これは、糖代謝を活性化するインスリンの分泌が増加したことで確認されました。更に、鎮痛効果のある、メチオニンエンケファリンとベーターエンドルフィンが増加し、更に心房性Na利尿ポクペプチド(血管拡張作用)の分泌が増加することも確認されている。
以上、低線量の放射線のホルミシス効果について、簡単に説明しましたので、ラジウム温泉にガンや難病の患者さんが殺到する理由も理解できると思います。
そこで、ラジウム温泉へ行かなくても、健康を維持・増進し、ガンも予防できないかと考え、家庭でも手軽に使える岩盤浴が考案されました。それが『放射線ホルミシス療法専用岩盤浴』です。
このカプセルは、天然ラジウム鉱石(0.5〜1.0μSv/h)をカプセルの下に敷き、その下から電熱器で約45℃に温め、遠赤外線を出しています。
ラジウム鉱石には、微量放射線(ラドンガス)の他に、マイナスイオンを発生し、マイナスイオンの効果も加わって健康効果を発揮するのです。副作用は認められませんでした。
このカプセルの内に入って寝ますと、遠赤外線がポカポカと暖かく、カプセル内に充満したラドンガス吸入による、外と内からのホルミシス効果と、マイナスイオン効果で、気分が良くなり、副交感神経が刺激され、免疫が上がり、ホルモン分泌が増加し、血流も良くなり、全身の新陳代謝も亢進し、抗酸化酵素も増え、いわゆる「ホメオダイナミックス」と称される活動が起こり、自然治癒力が高まると考えられます。
人間は自然の中に生きているので、常に自然と調和・順応して 生活していく必要があります。
そこで、健康長寿を得るには、安定した精神・前向きな心・正しい食事・適度な運動を行い、更に良い環境に住む必要があります。しかし、頭では分かっていても実行は困難で、長続きしません。
そこで、現代はストレスの多い多忙な生活の中に、『放射線ホルミシス療法専用岩盤浴』を使用し、少しでも健康を維持・増進する人生を送って欲しいものです。
【参考資料】
(1)ラドン浴が生命を活性化する 安陪常正著 民事法研究会
(2)北投石の秘密 安陪常正著 民事法研究会
(3)放射線ホルミシスが体にいい 江川芳信監修 現代書林
補完代替医療としての
ホルミシス効果を利用した臨床効果
あさひ医王クリニック院長
上野紘郁
補完代替医療としてのホルミシス効果を利用した臨床効果
ラジウム(ラドン)温泉が賑わうのはどうしてでしょうか?
何故、難病の人が行くのでしょうか?
それは自然が豊かで、開放感と多くのマイナスイオンにより、気分が爽快になり、温泉の温熱効果で新陳代謝が良くなるだけでなく、低線量の放射線による健康効果がもたらすものと思われます。
この自然のラジウム温泉効果を、手軽に家庭でも利用できるように工夫して作られたのが、「ホルミシス岩盤風呂(ラジウムスーパーカプセル)」です。これと、現代西洋医学と併用し、治療効果が見られるかどうか、治験した効果を報告します。
症例:1
Aさん(慢性関節リウマチ、52才主婦)
Aさんは、28才頃より両膝関節、両手首、両手指関節の痛みがあり、鎮痛剤(ロキソニン:1日3錠)と副腎皮質ステロイド(プレドニン:1日4〜6錠)を飲んでいたが、一進一退で徐々に悪化しており、将来人工関節を入れなければならなくなる、と言われていました。
友人の紹介で、ラジウムスーパーカプセルによる、1日1回1時間、ホルミシス療法を受けたところ、痛みは軽減し、痛み止めも1日1〜2錠に減り、ステロイドの内服も1日2錠に減らすことができた。また、頭痛や腰痛、不眠症も治った。
症例:2
Bさん(全身アトピー性皮膚炎、17才男性)
3才よりアトピーを認め、総合病院皮膚科で治療してきたが治らず、高校に入ってから特に悪化し、特に顔・頚・両手・肘窩・膝窩等に発疹がひどく登校するのが嫌になった。
当院では、漢方薬・保湿剤・スキンケアと、ラジウムスーパーカプセルに1日1回60分入ったところ、急速に発疹が軽くなり、2ヵ月後には殆ど目立たなくなった。
気長にラジウムスーパーカプセルに入りながら、治療を続けると完治すると思われる。
症例:3
Cさん(強皮症、57才男性)
35才頃より、顔や手足の皮膚が厚く硬くなり、手指のむくみ・前腕の皮膚の硬化、指尖陥凹性瘢痕、抗セントロメア抗体陽性でした。総合病院皮膚科でプレドニン20mg(5mg4錠)を服用していました。
当院で、ラジウムスーパーカプセルに1日1回毎日1時間入って温めたところ、約1ヶ月経った時から、プレドニン1錠(5mg)に減らすことができ、満月様顔も徐々に元に戻ってきました。
症例:4
Dさん(卵巣癌、46才女性)
4年前、右卵巣癌の手術を受けたが再発し、腹水がたまり、腫瘍マーカー(CA125)が、75と高かったので、シスプラチンとタキソテールの抗癌剤の治療を受け、更に野菜ジュース1日2杯(400cc)とラジウムスーパーカプセルに1日1回60分間入ったところ、30日間経ったところ、腹水は無くなり、腫瘍マーカー(CA125)も15に下がり、著効が見られた。
症例:5
Eさん(38才、乳癌女性)
1年前、右乳癌の根治手術を受けてから、半年前に局所と右液窩リンパ節腫瘍を認め、病院では外来通院で抗癌剤治療を受けながら、ラジウムスーパーカプセルに1日1回60分間入ったところ、3ヵ月後には腫瘍は完全に消失した。
ホルミシス療法が抗癌剤の効果を増強し、副作用も軽く経過したものと思われます。
症例:6
Fさん(前立腺癌、64才男性)
Fさんは、会社の検診でPSAが15と高値を示し、病院で穿刺組織診を受けたところ、前立腺癌と診断され、手術を勧められたが、術後合併症が怖くて拒否し、ホルモン療法・抗癌漢方療法とラジウムスーパーカプセルに、1日2回40分宛入ったところ、1ヵ月後にPSAは0.02と下がり、超音波検査でも腫瘍は消失していた。
手術や放射線療法をしなくても治ったので、ラジウムのホルミシス効果による治癒力が働いたものと思われる。
以上、6例の症例ではありますが、低容量のラジウム線とその分解ガスであるラドンガスを吸い、マイナスイオン効果と遠赤外線の温熱作用で、自然治癒力を高め、現代西洋医学との併用治療(総合医療)で、より良い治療効果が得られるものと思われる。