グラフィックデザインなどを学ぶ福岡市の若者たちが、同市の「ものづくり」をテーマにしたフリーペーパー「to crew[つくる]」を創刊した。再開発が進むJR博多駅を特集した創刊号を9月に発行。続いて、和菓子店を題材とした次号の年内発行を目指して準備に入っており、「ものづくりに携わる福岡の人たちの思いを、広く伝えたい」と張り切っている。
創刊したのは、「福岡コミュニケーションアート専門学校」(同市博多区石城町)の20-24歳の学生5人。それぞれ雑誌編集やグラフィックデザイン、イラストなどを学んでおり、「博多人形など伝統工芸が盛んな博多をはじめ、ものづくりが活発な同市の魅力を発信したい」と今回のフリーペーパーを企画。学生たちのこの自発的な活動を、同校も支えることにし、費用面は全額、同校が負担している。
創刊号はA5判16ページ。JR博多駅の新駅ビルの完成イメージ図や、歴代の博多駅の写真を掲載。新駅ビルの担当者から聞いた建設の苦労話や、植弘靖彦同駅長へのインタビュー記事なども盛り込んでいる。5人は取材や執筆など、創刊号完成に約4カ月間をかけたという。また、創刊号に先立ち、博多織職人を目指す若者を紹介した準備号も2月に発行している。
5人のうちの池田詠生さん(23)は「今後も、読んで共感してもらえるものを目指して作っていきたい」と話している。
創刊号はすでにJR博多駅などで500部を無料配布済み。同校に約50部あり、無料配布に応じるという。同校=(0120)717262。
=2009/10/27付 西日本新聞朝刊=