Windows 2000 Insider/PC Insider合同特別企画Windows XPの正体
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ファイル・システム関連の総合的な操作ツールとして、fsutil.exeというツールが新しく用意された。これは、ディスク・クォータの設定やハードリンクの設定、ファイル・システムの各種フラグの設定、リパース・ポイント(再解析ポイント)やスパース・ファイル(疎なファイル)の設定などを行うためのツールであり、以下のようなさまざまなサブコマンドを持っている。
fsutil behavior ―― ファイル・システムの挙動の制御 | |
fsutil behavior query | ファイル・システムの挙動パラメータの照会 |
fsutil behavior set | ファイル・システムの挙動パラメータの変更 |
fsutil dirty ―― ボリュームのdirtyビットの管理 | |
fsutil dirty query | dirtyビットの照会 |
fsutil dirty set | dirtyビットの設定 |
fsutil file ―― ファイルに固有のコマンド | |
fsutil file findbysid | セキュリティ識別子でファイルを検索 |
fsutil file queryallocranges | ファイルに割り当てられた範囲の照会 |
fsutil file setshortname | ファイルの短い名前の設定 |
fsutil file setvaliddata | ファイルの有効なデータ長の設定 |
fsutil file setzerodata | ファイルのゼロ・データの設定 |
fsutil file createnew | 指定されたサイズの新しいファイルを作成 |
fsutil fsinfo ―― ファイル・システム情報 | |
fsutil fsinfo drives | ドライブをすべて一覧表示 |
fsutil fsinfo drivetype | ドライブの種類の照会 |
fsutil fsinfo volumeinfo | ボリューム情報の照会 |
fsutil fsinfo ntfsinfo | NTFS固有のボリューム情報の照会 |
fsutil fsinfo statistics | ファイル・システム統計情報の照会 |
fsutil hardlink ―― ハードリンクの管理 | |
fsutil hardlink create | ハードリンクの作成 |
fsutil objectid ―― オブジェクトIDの管理 | |
fsutil objectid query | オブジェクトIDの照会 |
fsutil objectid set | オブジェクトIDの変更 |
fsutil objectid delete | オブジェクトIDの削除 |
fsutil objectid create | オブジェクトIDの作成 |
fsutil quota ―― クォータの管理 | |
fsutil quota disable | クォータの追跡と強制の無効化 |
fsutil quota track | クォータの追跡の有効化 |
fsutil quota enforce | クォータの強制の有効化 |
fsutil quota violations | クォータ違反の表示 |
fsutil quota modify | ユーザーのディスク・クォータの設定 |
fsutil quota query | ディスク・クォータの照会 |
fsutil reparsepoint ―― リパース・ポイントの管理 | |
fsutil reparsepoint query | リパース・ポイントの照会 |
fsutil reparsepoint delete | リパース・ポイントの削除 |
fsutil sparse ―― スパース(疎な)ファイルの制御 | |
fsutil sparse setflag | スパース・ファイルに設定 |
fsutil sparse queryflag | スパース・ファイルの照会 |
fsutil sparse queryrange | 範囲の照会 |
fsutil sparse setrange | スパース範囲の設定 |
fsutil usn ―― USN(更新シーケンス番号)の管理 | |
fsutil usn createjournal | USNジャーナルの作成 |
fsutil usn deletejournal | USNジャーナルの削除 |
fsutil usn enumdata | USNデータの列挙 |
fsutil usn queryjournal | ボリュームのUSNデータの照会 |
fsutil usn readdata | ファイルのUSNデータの読み取り |
fsutil volume ―― ボリュームの管理 | |
fsutil volume dismount | ボリュームのマウント解除 |
fsutil volume diskfree | ボリュームの空き領域サイズの照会 |
fsutilコマンドのサブコマンド一覧 | |
fsutilコマンドは、ファイル・システムに関する種々のサービスやパラメータの問い合わせ、設定などに使われるコマンドであり、数多くのサブコマンドを持っている。 |
■fsutil behavior――ファイル・システムの挙動の制御
ファイル・システムの挙動とは、以下のような項目を指す。短い形式のファイル名や最終アクセス時間の記録をオフにすれば、わずかだがシステムのパフォーマンスが向上する可能性がある。これらのフラグを個別にオンにしたり、オフにしたりすることができる。
属性名 | 意味 |
disable8dot3 | FATやNTFS上で、8.3形式の短い名前の生成も行うかどうか |
allowextchar | 特殊な拡張文字セットの文字を、8.3形式の短いファイル名中で使うかどうか |
disablelastaccess | 最終アクセス時間も記録するかどうか |
quotanotify frequency | ディスク・クォータの違反をシステムログに記録する時間の頻度 |
mftzone value | NTFSのマスタ・ファイル・テーブル(MFT)のサイズの指定 |
■fsutil dirty――ボリュームのdirtyビットの管理
dirtyビットは、システム終了時にボリュームが正しくシャットダウンされたかどうかを制御するフラグである。システムが正常にシャットダウンすると、最後に各ボリュームのdirtyビットはクリアされる。だがシステムがハングアップしたような場合や、強制的にリセットや電源をオフにした場合にはdirtyビットはセットされたままの状態になる。ボリュームが“dirty”である場合は、システムの起動時に自動的にchkdskが実行され、ファイル・システム内に矛盾がないかどうかが検査される。
■fsutil file――ファイルに固有のコマンド
これは、指定したサイズでのファイル作成(プログラムのデバッグなどで使う)やファイルの内容のゼロ・クリア、8.3形式の短いファイル名の設定などを行う。
■fsutil fsinf――ファイル・システム情報
これはボリュームごとの各種パラメータなどを表示させるためのコマンドである。ボリューム情報や読み書きの統計情報(読み書きの回数や管理用データ領域へのアクセス回数など)を表示する。
C:\>fsutil fsinfo ntfsinfo c: …NTFS情報の表示 |
■fsutil hardlink――ハードリンクの管理
ハードリンクとは、1つのファイル(の実体)に対して、2つ(以上)のファイル名エントリを付ける機能である。同じファイルを指す、異なるファイル名エントリを作成することができる。従来でもリソースキットなどには、linkd.exeという、ディレクトリのリンクを作成するコマンドが用意されていたが、これは、ファイルに対してハードリンクの作成を行うためのコマンドである。
いったんハードリンクが作成されると、どちらのエントリでアクセスしても同じファイルが操作対象となる。削除する場合は、最後の1つのリンクが削除された時点で、ファイルの実体が解放されることになる。
C:\>dir *.txt …ハードリンク作成前の状態 |
■fsutil objectid――オブジェクトIDの管理
分散リンク・トラッキングやファイル複製サービスなどで使われる、ファイルのオブジェクトIDを管理するためのツールである。おもに開発者などが使うためのツールであり、一般的にはあまり使うことはないだろう。
■fsutil quota――クォータの管理
C:\>fsutil quota track c: …クォータ管理を有効にする |
■fsutil reparsepoint――リパース・ポイントの管理
これは、NTFS 5で導入されたリパース(再解析)ポイントの管理をするツールである。リパース・ポイントのために割り当てられているデータを取り出したり、それを削除したリする。これもどちらかというと、開発者向けの機能といえる。
C:\>fsutil reparsepoint query c:\usr …リパース・ポイント・データの照会 |
■fsutil sparse――スパース(疎な)ファイルの制御
スパース・ファイルに関する各種の管理のためのツールである。スパース(疎な)ファイルとは、ファイルとしての長さはあるが、実際にはデータはほとんど含まれていないようなファイルのことを指す。このようなスパース・ファイルの内容確認や、データが割り当てられている部分の確認などに利用する。
■fsutil usn――USN(更新シーケンス番号)の管理
ファイル・システムの更新記録など(追加や削除、変更など)を管理する「変更ジャーナリング」で利用する、「更新シーケンス番号(USN)」を操作するためのコマンド。
■fsutil volume――ボリュームの管理
NTFSボリュームのアンマウントや容量の照会を行うためのコマンドである。
INDEX | ||
強化されたコマンドライン・ツール(前編) | ||
強化されたコマンドライン・ツール(中編) | ||
1.ディスク/ファイル関連ツール(1) | ||
2.ディスク/ファイル関連ツール(2) | ||
3.タスク制御ユーティリティ | ||
強化されたコマンドライン・ツール(後編) | ||
4.イベント・ログ/レジストリ関連ツール | ||
5.その他のユーティリティ | ||
「Windows XPの正体」 |
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