J2サガン鳥栖の岸野靖之監督(51)が今季限りで退任することになった。鳥栖は岸野監督と来季の契約を結ばず、27日に退任を発表することを決めた。後任は未定。J1昇格に向けてクラブハウスの設置など待遇改善を求めてきた同監督と、条件面で折り合わなかったとみられる。監督就任3年目の今季も25日の甲府戦で敗れ、チーム初のJ1昇格は絶望的になっていた。リーグ戦の残り4試合と天皇杯まで指揮を執る。
■きょう発表 後任は未定
コーチで2年、監督として3年間チームを指導してきた熱血漢が今季限りで鳥栖を離れる。悲願のJ1昇格が絶望的になった甲府戦から一夜明けた26日。クラブは岸野監督の退任を承認した。
岸野監督は和歌山県出身。東京ヴェルディで当時練習生だった日本代表のDF中沢を育てるなど若手育成に定評があり、松本育夫ゼネラルマネジャーが監督だった2005年にコーチとしてチームに加わった。
07年の監督就任後も、大卒2年目のFW藤田(現J1大宮)をJ2日本人得点王に育て上げるなど、資金力が乏しく若手を中心に編成する鳥栖で手腕を発揮。昨季は6位だったものの最終節まで昇格争いを演じ、今季も開幕直後の最下位から5位にまで立て直した。
クラブ側の評価は高かったが、J1昇格を目指すチームとして休日の練習場の確保やクラブハウスの設立といった、岸野監督の待遇改善要求に応えきれずにたびたび衝突。今季は1年契約で、来季に向けて話し合ってきたが、こうした条件面で折り合いがつかなかったとみられる。
今季は4試合残すものの、他クラブでの指導を希望し、J2甲府などが関心を寄せている岸野監督の意向を尊重し、27日の発表となった。後任は日本人を中心に人選を進めている。
=2009/10/27付 西日本スポーツ=