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『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
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週刊がん もっといい日
2007年Vol.83
11月9日更新
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医療用麻薬を正しく理解すること、
がんの痛みさえ取れれば社会復帰も可能になります! |
1989年に、モルヒネ硫酸塩徐放剤を発売して以来、がんの痛み治療に取り組んできた塩野義製薬は、この9月に啓発活動の一環としてCMを放映するとともに、『がんの痛みはがまんしない』のホームページ(http://www.shionogi.co.jp/itami)を開設、11月8日には、がんの痛み治療法と医療用麻薬に関するセミナーを開催しました。
セミナーは、25年にわたり、痛み治療にかかわってきた埼玉医科大学客員教授の武田文和氏と、星薬科大学薬品毒性学教室教授の鈴木勉氏。
「これまでのがん医療は治療志向で寿命は延長したものの、痛みの治療は軽視された結果、患者さんのQOLは低下し、あきらめ、がまん、不満の原因となってきた」と前置きし、がんの早期発見、死亡率減少とともに痛み改善が、がん対策基本法に盛り込まれたことから、「疼痛などの緩和を目的とする医療が、早期から適切に行われ、がん患者の療養生活の質の維持向上が大切になる」と語る武田氏。
一方、鈴木氏は、麻薬、とくに医療用麻薬に対する誤解を解くことが重要だとして、次のように述べました。
「痛みをとってほしいが、中毒=麻薬=医療用麻薬といった誤解があり、医療用麻薬を使用すると、中毒になる、最後の手段、寿命が短くなってしまうのではとして、痛みをがまんする人たちは多い。WHO(世界保健機構)が、がんの痛みの治療に医療用麻薬を使用しても、身体的中毒は問題化せず、精神的中毒も起こらない。医療用麻薬の正しい理解が必要不可欠だ」と話しました。
がんによる痛みを取り去るためにも、医療用麻薬は重要な役割を果たしています。にもかかわらず、日本では麻薬=中毒、人生の終焉だとの誤解はつきません。緩和医療は、想像を絶する、とてつもない痛みの治療や終末期医療に使用されるばかりではありません。痛みさえ克服すれば、社会復帰も可能になります。いざというときに備えて、痛み治療に関する正しい情報を入手し学ぶ必要があります。まさに、“備えあれば憂いなし”なのです。
さて今週もまた、皆さまにとって「もっといい日」でありますように・・・。
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☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.83☆☆☆
真柄俊一院長
初診患者には1時間〜1時間半かけて治療法について説明する真柄院長
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代替医療最前線
副交感神経を刺激し免疫力高め
がんの再発予防や自然退縮狙う
「自律神経免疫療法」
取材協力:素問(そもん)八王子クリニック
真柄俊一院長
プロフィール
まがら・しゅんいち
1939年、新潟県生まれ。64年、新潟大学医学部卒業。産婦人科医、第一生命医事研究室勤務を経て、2003年に自律神経免疫療法によるがん専門の医院、素問八王子クリニックを開業し、現在に至る。日本自律神経免疫治療研究会、日本免疫治療学会、全日本鍼灸学会各会員。
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ベストセラーになった『免疫革命』の著者、新潟大学の安保徹教授が提唱する免疫学理論に基づき、自律神経のバランスを整えながら免疫力向上を図り病気の克服をめざす「自律神経免疫療法」が注目されています。アトピーやがん、糖尿病、パーキンソン病などに効果が高いとされ、現在は多くのクリニックで実践されていますが、なかでも東京都八王子市にある素問八王子クリニックは、がん治療を専門とするクリニックとして、全国各地から多くの患者さんが訪れています。
「安保理論」を応用し、
副交感神経の刺激により病気の克復目指す
まず、安保教授の唱える免疫理論について紹介します。人間の体は、60兆個もの細胞からなっており、それらの細胞の働きは、すべて自律神経によって支配されています。自律神経は、人間の意思とは関係なく、内臓や血管などの働きをコントロールする神経のこと。この自律神経には、緊張したときに優位に働く交感神経と、体を休めたときに優位に働く副交感神経とがあり、それらがシーソーのように、互いに主導権を握り合いながら私たちの体の働きを整えているのです。
「安保理論が画期的なところは、免疫を担う白血球もまた、自律神経の支配を受けるという発見でした」と、素問八王子クリニックの真柄院長は説明します。
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真柄院長の著書 『がんを治す「仕組み」は
あなたの体のなかにある』(現代書林刊) |
「白血球は顆粒球、リンパ球、マクロファージからなっており、正常なときのそれらの比率はおよそ60%、35%、5%であり、その数と働きが自律神経によって調整されています。副交感神経が優位に働くと白血球のなかのリンパ球が増え、逆にストレスがかかると交感神経が優位に働いて白血球のなかの顆粒球が増えます。こうしてバランスが崩れると免疫力が低下し、病気に罹りやすく、がん細胞もできやすくなります。免疫力が低いままだと病気も治りにくい。これが安保理論の骨子です」
この理論に基づき、副交感神経を優位にしてリンパ球を増やし、免疫力を高めることで治療しようというのが、「自律神経免疫療法」です。
「刺絡治療」、「食事療法」、
「心理療法」が治療の三本柱
それでは、実際に同院では、どのような治療が行われるのでしょうか。
「中心になっているのが、鍼灸でいうツボを針で刺激し、わずかに出血させる“刺絡治療”です。これによって副交感神経を刺激し、リンパ球を増やし、さらに活性化させます」(真柄院長)
同院で使用する針は、注射針のなかでも最も細い針を使用します。太い針だと、患者さんが痛みを感じてしまい、痛みは交感神経を刺激し、ストレスを与えて逆効果になりかねないからです。細い針でも傷みを感じる方には、レーザーを使用し、頭のてっぺんから足の先まで、ほぼ60か所を刺激していきます。
ここで真柄院長は、筑波技術短期大学前学長で、鍼灸の第一人者である西条一止名誉教授の「座位、呼気、浅刺の3つの条件が揃ったときに副交感神経が優位に働き、しかもその効果が持続しやすい――」という研究成果を取り入れ、治療に活かしています。
「つまり、患者さんを椅子に座らせる座位の姿勢で、患者さんが息を吐く呼気のとき、皮膚から4ミリ以内に浅く刺す。これがもっとも効率よく副交感神経を優位にする刺激のやり方なのです」
こうした「刺絡治療」によって、リンパ球を活性化させる手法をメインに、さらに「食事療法」と、治療に対し前向きな心持ちでのぞむことで、より回復力を高める「心理療法」を加え、これらを三本柱に真柄院長は、独自のがん治療を行っています。
肺がんの末期患者に3か月治療を行い
腫瘍マーカーが劇的に低下
2003年に開業して以来、同院で治療を受けた患者さんは1600名以上にのぼりますが、これまでの経験を通し、末期がんが自然退縮を認めた患者は少なくありません。
「特徴的な症例を一つ挙げると、肺の線がんのステージ4と診断され、他の病院で、もはや手術不可能とされた56歳の女性が、今年6月に当院に来られました。当院で行っている、がん関連の免疫検査と腫瘍マーカー検査がセットになった『イムノドック』を受けてもらったところ、13項目もレッドゾーンがありました。通常、10項目以上のレッドゾーンがあると大変厳しいと判断されるのですが、当院で3か月間、6回の刺絡治療をした結果、腫瘍マーカー(CA19-9)の値が6月で25900だったのが、121まで低下しました」
また、『イムノドック』を用いることで、がん専門病院での検査では発見できなかった異常が発見されるケースも多く、さらに自律神経免疫治療を組み合わせることで、これまで難しいとされてきた、がんの再発予防にも高い効果を発揮していると、真柄院長は言います。
真柄院長は、手術以外の標準治療(抗がん剤、放射線治療)との併用は、免疫力低下をもたらすだけという考えから、推奨していません。あくまでも自己の自然治癒力を引き出し、免疫力を上げることで、病気を克復していく――。従来の常識を覆す自律神経免疫療法は、常識とされてきたこれまでのがん医療に一石を投じようとしています。
「治療効果を持続させるには、当院に通っていただくことが大事です。ただ、当院では初診の方には刺絡治療はもちろん、食事面での留意点や精神面のもって行き方など、長い時間をかけて徹底的にお話させていただきます。そのため、帰られるころには、どの患者さんも表情が晴れやかになっているんですよ。たった1回の治療であっても、こうした精神面での変化が必ず治療にも好影響をもたらすものと信じています」(真柄院長)
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素問八王子クリニック
・ 住所 〒192-0082 東京都八王子市東町1-6 橋完LKビル7階
・ 電話 0426-60-0403 (完全予約制)
・ 休診日 水・日・祝
・ HPアドレス http://www.somon-clinic.com/
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。 |
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