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図書目録

戦争と平和 【歴史認識】

靖国の闇にようこそ

靖国の闇にようこそ

靖国神社・遊就館 非公式ガイドブック

辻子実

価格: 1800円+税
発行日: 2007年6月22日
版型: A5判
ページ数:
ISBNコード: ISBN978-4-7845-0568-5
Cコード: C0030

詳細内容

天皇のために殺された人たちを神として祀る靖国神社。アジアからの批判の声は無視したのに、アメリカの圧力で展示内容をこっそり変えた戦争博物館=遊就館。建物や碑、展示室の一つ一つをガイド。

【目次】

はじめに…5

【壱】 靖國神社外苑篇

靖国神社への行きかた…14
九段下…16
靖国神社になるまで…18
高燈籠…22
花崗石大燈籠…24
狛犬…26
靖國神社社号標…28
さざれ石…30
獅子石…32
大鳥居(第一鳥居)…34
日の丸掲揚塔…36
常陸丸殉難記念碑…38
田中支隊忠魂碑…40
慰霊の泉・戦跡の石…42
大村益次郎銅像…44
花崗石狛犬・石鳥居…46
靖国の時計塔…48
石燈籠・花崗石燈籠…50
外苑休憩所…52

【弐】 靖國神社墓苑篇

「下乗」の高札…54
大燈籠…56
例大祭告示の高札…60
青銅大鳥居(第二鳥居)…61
大手水舎…64
神門…66
白鳩鳩舎…68
青銅大燈籠…70
社務所・斎館…72
能楽堂…76
中門鳥居…78
拝殿…80
本殿…82
霊璽簿奉安殿…84
参集所…86
「日の丸」掲揚台…88
元宮…90
鎮霊社…92
北関大捷碑…94
旧招魂斎庭跡…96
南門手水盤…97
南門狛犬…98
築地塀…99
憲兵隊の碑…100
軍人勅諭の碑…102
相撲場…103
招魂斎庭…104
靖国会館…110
母の像…112
パル博士顕彰碑…114
戦没馬慰霊像・鳩魂塔・軍犬慰霊像…116
特攻勇士之像…118

【参】 遊就館篇

遊就館…122
ロビー…126
二階ロビー 彫刻・負傷兵の敬礼…128
映像ホール…130
武人のこころ【展示室1】…132
日本の武の歴史
  【展示室2】…133
明治維新【展示室3】…134
西南戦争【展示室4】…136
靖国神社の創祀
  【展示室5】…138
特別陳列室…140
日清戦争【展示室6】…144
日露戦争パノラマ館
  【展示室7】…148
日露戦争から満州事変
  【展示室8】…150
御羽車【展示室9】…154
支那事変【展示室10】…156
一階 日米開戦
  【展示室11】…158
真珠湾九軍神【展示室12】…160
特攻【展示室13】…162
合祀された子どもたち
  【展示室14】…164
私兵特攻【展示室15】…166
真岡電話交換手「九人の乙女」【展示室15】…167
戦後の各国独立地図
  【展示室15】…168
重慶夜間爆撃【画廊】…170
卓庚鉉【展示室16】…172
遺影【展示室16?19】…174
千人針【展示室17】…176
花嫁人形【展示室18】…178
ロケット特攻機・沖縄への特攻【大展示室】…180
南海神社社号碑
  【展示室20】…182
企画展示室…184

【肆】 靖國周邊篇

旧近衛師団司令部庁舎…186
北白川宮能久親王銅像…187
千鳥ヶ淵戦没者墓苑…188
宮内庁長官公邸…189
高射砲台座跡…190
近衛歩兵連隊記念碑…191
弥生慰霊堂…192
品川弥二郎像・大山巌像…194
九段会館…195
しょうけい館…196

あとがき…199
人名・事項索引…巻末

【コラム】

別格官幣靖国神社全図/2
尚武須護陸/20
平将門/23
西南戦争と乃木/25
神道指令(抄)/29
国歌斉唱義務不存在等確認請求訴訟 (予防訴訟)/31
狛犬/33
現在日本一の大鳥居/35
当初の建設計画を急遽変更/35
靖国の桜/37
濃霧、逆さに読めば無能/39
「原爆小景」原民喜より/43
「大村益次郎卿銘文」を読む/45
お札などに見る神社/62
天皇殿下/73
天皇のお使い(勅使)靖国神社へ /74
無礼・非礼 中曽根参拝/77
紀元・金鵄勲章/89
鎭靈社に関する靖國神社「宮司通達」/93
ロウソクの神学/106
国会質問から/113
靖国神社=犬/117
富永恭次/119
朝鮮並びに台湾出身の傷痍軍人及び軍属に関する答弁書/129
『喜劇・あゝ軍歌』/131
陸幕が靖国合祀研究・イラク派
  遣前 隊員犠牲を想定(東京新聞)二〇〇六年八月一二日/137
「金鵄」上がって一五銭/141
下関条約/143
中国東北部の正統な統治者は誰/153
琉球王国の地位/153
靖国合祀基準・東条元首相が厳格化/155
支那事変・総攻撃/159
軍神/161
日常の皇国臣民教育/163
敗退ではなく転進です/163
義勇兵役法/165
「重慶大爆撃」、日本政府に一人一千万円の賠償請求/171
旧植民地(朝鮮半島)出身側と靖国神社との交渉/173
靖国合祀の名簿 厚生省担当課が〝独断〟提供?/175
二・二六事件に際しての戒厳司令部布告/181
さらにヤスクニを知りたい人のためのブックガイド/197

著者略歴

辻子実
1950年、東京生まれ。
「靖国参拝違憲訴訟の会・東京」事務局長。日本キリスト教協議会靖国神社問題委員会委員。
著書に『侵略神社』(新幹社、2003年)、共著として『決定版・靖国問題入門─首相の公式参拝を批判する入門書』(KAWADE道の手帳・河出書房新 社、2006年)、『この国に思想・良心・信教の自由はあるのですか』(いのちのことば社、2006年)、『憲法が変わっても戦争にならないと思ってい る人のための本』(日本評論社、2006年)、『この国のゆくえ』(金曜日、2006年)、『武力で平和はつくれない』(合同出版、2007年)など。

書評

[婦人新報2008年2月号 2008/2/8]

よくここまで詳しく、判りやすく、靖国神社の過去・現在、さらに遊就館の見方についてのガイドをしています。もし、この本一冊を読みつつ靖国神社を訪ねれば、日本の現代史の闇の森の中に無自覚に迷い込みがちな私たちをガイドしてくれ、私たちの立つ場を自覚させてくれる。

[情況2008年11・12月号 2007/11/7]

「靖国参拝違憲訴訟の会・東京」事務局長の肩書きを持つ著者は、「英霊顕彰」の国家装置としての靖国神社、すなわち「ヤスクニ思想」を厳しく拒否する立場に立つ。著者のヤスクニ批判の論理と実践の深さは、決して他の人に劣るものではないであろう。しかし本書を読むと、靖国神社へのあまりの造詣の深さに、物質としての靖国神社を実は著者が深く愛しているのではないかと錯覚すらしてしまう。

[百万人の幸福 2007/9/7]

靖国神社が内包する「闇」を、「靖国のことなら図書館は要らない」という著者が暴き出す。著者は「靖国参拝違憲訴訟の会・東京」事務局長で、日本キリスト教協議会靖国神社問題委員会の委員も務める。
サブタイトルは皮肉を込めて「靖国神社・遊就館(資料館)非公式ガイドブック」。しかし公式ガイドより詳しいこと受け合いだ。

[解放新聞 2007/8/20]

本書を手に靖国を訪れれば「裏の靖国」がよくわかる。本書には闇を照らす歴史の真実が書かれている。
本当は、いくなら8月15日がいい。右翼が境内を闊歩し、さながら右翼の解放区状態が出現する。一言でいえば、きわめて異様な世界であり、間違いなく身も心もひんやりする。
遊就館には、自慢げに戦争関連グッズが並んでいる。それらは、侵略の事実を自白する証拠品ともいえる。戦争の対義がアジア解放というなら、特攻隊が「天皇陛下万歳」といおうが「お母さん」とマザコン的叫びをのこして死のうが、どうでもいいのだが、その片鱗をまったく感じない展示であることが摩訶不思議なのである。本書を手にその目で確かめる夏にしてはどうだろう。

[クリスチャン新聞 2007/8/19]

靖国神社の本殿や鳥居、境内にあるさまざまな碑などに込められた意味を、皮肉を込めながらも適確に解説する。また同神社の資料館「遊就館」の展示についても、その問題点を浮き彫りにしている。表紙カバーを裏返せば、境内の地図が現れる。「ガイドを片手に靖国神社へどうぞ」といった趣向だ。そんな「遊び心」を随所に盛り込んでいる。
サブタイトルは「靖国神社・遊就館 非公式ガイドブック」。しかし公式ガイドより詳しいこと請け合いだ。

[キリスト新聞 2007/8/18]

わたしはこのたび辻子実さんの労作を読む機会を与えられた。そして靖国の暗部はかつて日本が海外に創建していった「侵略神社」の歴史を知ることなしには見えてこないことを思い知らされた。辻子さんはあとがきに、「アジアとの平和共生を願う時、何よりも歴史の共有が不可欠ではないかと思います」と記しておられるが、正にその通りだと思う。

[彷書月刊 Mo.262 070725 2007/8/7]

実にサマザマな靖国神社をめぐる書物があるケレド、本書は、<靖国神社・遊就館 非公式ガイドブック>。狛犬から、鳥居、睥のかずかずを検証していく。はじめて知ったこともタクサンありマス。御神体は刀鏡。

[日本バプテスト連盟ニュースレター第5号 2007/8/7]

「靖国神社」ガイド。知る人ぞ知る「靖国博士」である著者が、貴重な資料と知識を披瀝し、靖国神社および関係者の発言などを紹介しながら、できるだけビジュアルに「ヤスクニの闇」を案内する。

[[キリスト者政治連盟 No.331 2007/8/7]

楽しく、まじめで、読者への優しい眼差しに溢れている。辻子さんお人柄そのもののようである。こんな適切な靖国ガイドブックはなかったはずだ。まずはこの本を片手に、靖国神社へ、遊就館へ行っていただきたい。靖国神社は人間を兵器にする工場あることに身をもって気付くだろう。

[中外日報 2007/7/24]

靖国神社を歩くための非公式のガイドブック。非公式ではあるが、虚偽の内容を記したものではなく、靖国神社関係資料や関係者の発言、写真資料を交えて詳細に説明。靖国神社境内や靖国神社の歴史観を公にする戦争博物館の遊就館を取り上げる。

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