自らを中傷する差別的な内容の文書を自身や福岡県立花町に送り付けたとして、偽計業務妨害罪に問われた元立花町嘱託職員の男(52)=7月31日付で懲戒解雇=の判決公判が26日、福岡地裁八女支部であった。秋本昌彦裁判官は「部落差別問題を解決するために活動し、被告人を支えてきた関係団体、関係者の信頼を裏切ったもので厳しい批判を免れない」と述べ、懲役1年6月、執行猶予4年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
判決によると、男は嘱託職員の職を継続させるため、2007年8月と今年1月、被差別部落出身者を差別する内容の封書とはがき計3通を郵送して町に対策会議を開かせ、正常な業務を妨害した。
男は事件当時、部落解放同盟福岡県連合会に所属(今月中旬に除名)。02年から1年更新で立花町嘱託職員として雇われ、05年から人権同和教育の啓発に携わっていた。
同町では、03年12月から今年1月まで「部落のあなたが指導すると子どもに部落が伝わる。辞めてください」などと書かれた手紙や封書が計44通送られており、男は県警の調べに対して「全部自分がやった」と供述したという。同町では手紙が届くたびに対策会議が開かれていた。
=2009/10/26付 西日本新聞夕刊=