注目されるフィンランドの教育の秘密とは

【新刊】福田誠治著、パク・チェウォン、ユン・ジウン訳『フィンランドの教室革命』(ピアブック)

 「わたしたちが勉強しようがしまいが、先生たちにとっては人ごとです。自分のために勉強するのは当然です」。最近、公教育の成功で世界的に注目されているフィンランドの話だ。本書は、日本のフィンランド教育専門家が数十例に上るフィンランドの教育現場、具体的な教室での授業風景を体験した結果をまとめたもので、韓国の教育専門家が解説を加えた。

 教育現場を実際に訪れた記録を見ると、「平等性」と「秀越性」をいかに調和させているかが、重要なポイントになる。小学校教諭のフスカさんは、2年生13人と3年生11人からなるクラスの担任だ。学年が異なるため混乱しそうに思えるが、同教諭は授業時間を効率的に配分し、二つの学年の児童を同時に教えている。一方が課題を解いている間に、もう一方が先に進む、という方式だ。習熟度別に学級を区分して別々に教えるのではなく、習熟度が異なる児童を一つの学級にまとめ、内容面で習熟度別の授業を行っているわけだ。このように、個々の児童・生徒に対し教師が関心を持ち、下位の子どもたちを刺激することで、最終的には全体の成績が上がる、ということを本書は示している。

 教育問題で社会全体が病んでいる韓国の教育現場に直ちに適用するのは難しいかもしれないが、自らをじっくり振り返ることができる一冊といえる。284ページ、1万5000ウォン(約1170円)。

キム・ハンス記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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