臨時国会:鳩山首相、初の所信表明 「国政の変革」宣言

2009年10月26日 14時5分 更新:10月26日 14時30分

 第173臨時国会が26日、召集された。会期は11月30日までの36日間。鳩山由紀夫首相は26日午後、衆参両院本会議で就任後初の所信表明演説を行い、政権交代を「国民の選択」と強調し、明治維新を引き合いに「無血の平成維新」と銘打って「国政の変革に取り組む」と宣言した。「官僚依存から国民への大政奉還」をうたい、政治主導による税金の無駄遣い排除などの実現を約束する。外交では「緊密かつ対等な日米同盟」の構築を目指す考えを表明した。

 所信表明に対する各党の代表質問は28~30日に衆参両院で行われ、与野党の論戦が始まる。衆院では民主党は代表質問をせず、与党からは社民党が質問に立つ。

 首相は演説の冒頭、8月の衆院選について「勝利者は国民一人ひとり」として、「国民の強い意思と熱い期待に応える」ための「変革」と表明し、「戦後行政の大掃除」に取り組むと宣言する。行政刷新会議での税金の無駄遣い洗い出し、国家戦略室での複数年度の予算編成など、税の使途、予算編成手法の根本的見直しを掲げる。

 自らの資金管理団体の献金虚偽記載問題にも触れ、「政治への不信を持たれた。誠に申し訳なく思っている」と陳謝。「政治への信頼を取り戻せるよう、捜査に全面的に協力していく」と語る。

 持論の「友愛政治」を「弱者、少数者の視点の尊重」が原点と明言し、年金記録問題や子ども手当創設、高速道路無料化など衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた主要政策の底流にある理念と位置付ける。

 外交では、「緊密かつ対等な日米同盟」が外交の基軸であることを改めて強調する。「対等」に関しては「世界の平和と安全に果たす役割や具体的な行動指針を積極的に提言し協力できる関係」と説明。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設を含む在日米軍再編については「過去の日米合意などの経緯も慎重に検証」した上で「沖縄の方々の負担、苦しみ、悲しみに十分に思いを致し、真剣に取り組む」と述べる。

 東アジア共同体構想については、地震などの防災・災害対策、新型インフルエンザなど感染症・疾病対策など、幅広い分野にわたって具体像を説明。一方で「他の地域に開かれた透明性の高い協力体」と強調することで米国への配慮も示す。【山田夢留】

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