目次
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1. インフゾリアとは 2. 種親の入手方法 3. 殖やし方1 4. 殖やし方2(簡易法) 5. 収穫法 6. インフゾリアのエサになるもの |
1. インフゾリアとは
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インフゾリア(infusoria)とは、広義には原生動物や藻類など、水中で発生する微生物の総称です。アクア用語としては、おもにゾウリムシ(Paramecium)やワムシ(Rotifer)など単細胞原生動物のことを指し、ブラインシュリンプ幼生も口に入らないような小さい稚魚用の初期餌料として与えます。 以下の説明は、ゾウリムシを想定したものです。 インフゾリアのサイズは長さ0.2mm〜0.3mm、幅0.05mm程度で、肉眼で見えるぎりぎりくらいの大きさです。光にすかしてみれば、水中を泳いでいるのが確認できます。また、3〜5倍程度のルーペでも、ある程度の形まで観察することができます。 ページ先頭へ |
2. 種親の入手方法
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インフゾリア自体は自然界の水中に普通に存在しています。奇麗な小川などより、少し淀んだ水、あるいは田んぼの水中などに多数存在します。これらを採集してきて培養する方法もあります。 ただし、そうして採集した水には、通常何種類ものインフゾリアや雑菌が含まれています。稚魚のエサとして使用するためには、その水からごく少量(スポイトでほんの少し、あるいは顕微鏡で確認しながら一匹だけ選ぶ)だけを別培地に移すことを繰り返し、単系で純粋培養する必要があります。単系にするのは、容器で培養する場合、複数種類のインフゾリアを共存させると培地が安定しないからです。また、雑菌が残っている危険性もありますので、最初は稚魚が病気になったりしないか、何度かテストしてから本使用する方が良いでしょう。 また、長期間安定している「調子の良い」水草水槽がある場合、水草の廻りには通常インフゾリアが発生しています。これを採集して別容器で培養する方法もあります。水草水槽の中でのインフゾリアの密度はそれほど高くありませんので、稚魚のエサとして与えるほどの密度にするには別容器で培養する必要があります。 知り合いに卵生メダカ、あるいはその他、小さい熱帯魚を孵化・飼育している人がいれば、インフゾリアを維持してるかもしれません。尋ねてみましょう。 FoDでもヤフオクやビッダーズでインフゾリアを出品してます。出品していないとき、あるいはオークションのIDをお持ちでない方はメール(アドレス:akogare68A09@yahoo.co.jp)でお問い合わせ下さい。頒価\500(送料別)です。 ページ先頭へ |
3. 殖やし方1 (FoD流)
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数10cm分のワラを1cm長にカットし、300〜400mlの水に入れ、数分間煮沸します。ワラを使うのは、ワラに含まれる枯草菌(納豆菌)がゾウリムシの良いエサとなるからです。煮沸することにより納豆菌以外の雑菌が死滅し、熱に強い納豆菌の芽胞が残ります。 | 室温に冷めたところで、適当な容器に上の煮汁を入れます。ワラごと入れてしまっても構いません。少量のドライイースト(小さじの先、あるいは耳かき一杯程度)、もしくは牛乳数滴を加えます。これもゾウリムシのエサとなります。入れすぎると水質が悪化し、ゾウリムシが増えません。ドライイーストはスーパーや百円ショップで買えます。 最後にインフゾリア(種)を入れます。溶液が室温程度にまで下がっていることを確認して下さい。エサが適量であれば、数日で増殖し、容器の、おもに上層に白いモヤのように密集するようになります。 使用して減ってきたら、少量のエサと水を追加します。 適温は20〜30度。エアレーションまではする必要はないですが、長時間密閉すると酸欠で死滅しますので、容器にフタをずらして乗せるか、日に一二度フタを開けて通風します。孵化の際に使った使用済の酸素石を放り込んでおく手もあります。 どうしてもある程度の匂いはしますので、気になる場合は容器を戸外、もしくは大きめの発泡スチロール箱の中に置いて維持します(大きい箱の中に置く場合、フタはしなくても可)。 ページ先頭へ |
4. 殖やし方2(簡易法)
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300〜400mlの水(汲み置き水)に、牛乳を数滴入れ、インフゾリアの種を入れます。数日で増えます。数日に一度の割で、牛乳を数滴追加します。 ページ先頭へ |
5. 収穫法
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スポイトで吸ってそのまま目的の水槽に入れます。ゾウリムシの密度にもよりますが、一日経って残っていない程度の量が適当です。光にすかしてみればゾウリムシの泳いでいるのは確認できます。 稚魚水槽など、水量が少なくエアレーションをしていない容器にインフゾリアを入れると、 油膜の張ることがあります。油膜はスポイトで吸ったり、表面にペーパータオルをかぶせたりして 吸い取ります。ペーパータオルを使う場合は稚魚が張り付かないように注意が必要です。 まだブライン幼生が食べられないサイズの稚魚数匹程度なら、普通に繁殖しているインフゾリア漕から 1〜2スポイト(5〜10cc)入れる程度で充分でしょう。 ページ先頭へ |
6. インフゾリアのエサになるもの
上に書いたもの以外に、ドライイースト、牛乳、コーヒーミルク(コーヒーフレッシュ)、 ビール酵母、きなこ、ワカモト(錠剤)、キャベツ、レタスなどがよく使われます。 いずれを使う場合も、エサは入れ過ぎないようにするのが大切です。入れすぎると水質が 悪化し、インフゾリアが全滅することがあります。300〜400mlの容器なら、ドライイースト、 ビール酵母、きなこなどは小さじの先程度(耳かき一杯程度)、牛乳などでしたら数滴 (溶液がかすかに白くなる程度、真っ白になったら入れすぎ)、キャベツなら数cmの切れ端程度で かまいません。いずれも入れすぎると水質を悪化させ、雑菌が繁殖したりします。 なお、事故で全滅させるリスクを避けるため、インフゾリア容器は二つ以上で維持するようにします。 | |
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akogare6809 (2008/09/24) |