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2009-10-25

英語ってどうやったら上達するのかねぇ(1)

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日本の英語産業が罪深いと思うのは、そういった「さくら、さくら」レベルの基礎をやたらと難しいものに祭り上げてしまい、その先にある「さくらが咲いたぜ、おい!」に繋げようとしないところ。

さくら、さくら - はてな読み

だよねーwww と思いつつ、

「ちゃんとしたものも読めよ?」と言わなければいけないくらいに、日常的な英語は"real reading."とは違うノリで進行しているんだなー、と。

さくら、さくら - はてな読み

書き言葉と話し言葉がかなり違うよなとは思う。さっきの記事(How to read English articles? - riverrun past...)は極力変な表現を使わず、このブログのいつものトーンの話し言葉寄り。

さて。

まずは英語でアウトプットするにはどうすればよいかというお話

英語を教えた経験を出せばよいかな。むかーし、むかし。まだMarnierが自由にバックパッカーできたころ(黄金時代と呼んでいるww)、一人の日本人と安ホステルで出会いました。彼女も一人旅で、行き先がわりとかぶっていたので、一緒に行動することにしたのです。

Marnierは、宿の情報から観光スポットから交通から、全部他の旅行客から情報を仕入れてました。当然英語で。夜は夜で、みんな暇人なので、だべって、ゲームして、バーやホステル内で朝までビール飲んで、寝不足のまま旅を続けるのでした。

彼女は、最初こそ大人しかったものの、お酒が入るとそれはそれはフレンドリーになって、ぜんぜんダメな英語でもって大はしゃぎしていました。

ある晩のこと。客のあまりいないホステルのロビーで、いつものように缶ビールとドリトスで一杯やってた時、彼女がふと切り出したのです。

「Marnier君、どうやったら英語が話せるようになるの」

そんなこと言われても困ります。彼女、相当ノリノリで英語しゃべっていたのですから。ま、気持ちは分からんでもないので、愛用の英語参考書、Z会のCore1800を取り出したのでした。

「じゃ、英語クイズをします。」

「yellow」「黄色」

「year」「年」

こんな感じで、1ページほど英単語を日本語に直してもらいました。全問正解。Z会のCore1800の巻末には中学英語1000語弱が収録されているのです。

「つまり、あなたは1000語くらいのインプットは完了しています。」「だいたい、この1000語で、ある程度の表現はできます。」「なんか日本語出して下さい。」

「えと、『思い出し笑い』。」

「はぁ(笑)、Marnierは『思い出し笑い』なんて単語を知りません。でも、"I remember funny thing and it makes me laughing."くらいに置き換えられるでしょ?」

もし、「思い出し笑い」に該当する表現があれば、ネイティブが「それって××」のこと?って返事してくれる。便利な逆引き辞書ですww もし、該当表現がなければ、全く問題がないまま会話が進んでいく。彼女は酔ってた時は、それを普通に行っていたのです。ちなみに、ALCの英辞郎によると、思い出し笑い(reminiscent smile)、思い出し笑いする(smile at the memory)とのこと。

次に、いかにして生の英語をインプットするかというお話

学校で習う英語は「思い出し笑い」を"I remember funny thing and it makes me laughing."とすらすら言えるようにする、ような教育で十分だと思っています。非ネイティブのみの環境では、それが限界

それを受けたネイティブの、それって"smiling at your memory?"の"at the memory," これが、複数の単語から成るよく使う固まり"lexical bundles"なんです。

 英会話では、会話を円滑に進めるための lexical bundles というものが頻出します。この lexical bundle というのは、I don't want to..., I don't know about you but I... のように、常に同じ形で使われるひとかたまりの単語のセットであり、IT関係で言うモジュール(接合部が規格化・標準化されており、容易に追加できるようになっている、ひとまとまりの機能を持った部品)と似ているので、ここでは「モジュール」と呼ぶことにします。

 ともかく、このモジュール、普通の会話をするのに不可欠のツールです。会話自体は単語数で言えば、2,000単語も使えれば十分会話はできるというのが研究者の間の通説になっていますが、単語力だけでは用が足りず、簡単な単語が組み合わさったモジュールを知っていることが会話のスキルとして要求されるのです。

 一例として、Innovations というモジュールを重視した最新の英会話用教科書の一節をご覧ください。下線部がモジュールです。

A: Hello. Is this seat free?

B: Yes. Go ahead. Sit down.

A: Are you going to Glasgow?

B: Yes.

A: Me too.

B: Where are you from?

A: Germany.

B: Oh right. How long have you been here?

A: Not very long. I arrived in London last Thursday.

B: Your English is very good.

A: Thanks.

B: So, what are you doing here? Is it business or pleasure?

A: Business, really. I work for an export company.

B: Oh right. Do you enjoy it?

A: Yes, it's OK. I like travelling, so that's good.

計80単語のこのやりとりのうち、何と4割近くがモジュールで占められています。いかにモジュールが会話の中でものを言うかがよくわかります。研究者たちの報告に基づいてこの種のモジュールが会話の中で占める割合を調べると、高く見る人で6割、控えめでも3割と、ともかく大きなウェイトを占めているのは確かです。ところが、これほど大事なツールなのに、系統的に教わるようなことはまずなく、実際の経験の中から学びとるほかないのが実際です

日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク

"lexical bundles"が会話文だけでなく、ビジネス文書や新聞記事にも使われていることは明らか。

それでも「席空いてますか?」は"Is this seat empty?"で良いじゃないですか。会話ならね。で、"Is this seat free?"と訂正してもらったら良いのです。どーせ日本人のだめ英語は世界に知れ渡っているのだし、もっと下手なやつがわんさかマクドやスタバで接客しているのだし。

ただし、読むとなると難しい。とりあえず、lexical bundleを突っ込むためには

  • 生英語に触れること(映画、インターネット記事、会話、何でも良いでしょ)
  • 生英語の意味がちんぷんかんぷんだと思ったら、すぐに調べられる環境に身を置くこと

この2点です。

前者はともかく、後者はなかなか二の足を踏む人が多そう。

  • 分からない表現を、Google.comにつっこみ、でてきた英文を全部読む。そうすれば、その分からない表現が使われる状況がなんとなく分かり、元の文の読解ができる。
  • 英語詳しそうな人に訊く。わたしはFacebookでチョッパー先生をいつでも召還可能な上に、ネイティブや準ネイティブに囲まれているので、全く問題ないが(自慢www)、普通の人がインターネットでできることも多そう。英語知っていそうな日本人に訊くってのも手じゃない?はてな村には英語得意そうな人がいっぱいいるようだし。自己解決せずにみんなで教えあってスクラム組みながら英語が上達していけばよいのではないのかな。Twitterで「このセンテンスの意味を教えてなう」とかね。

こんなとこかな。3ヶ月で英語が(限定的に)上達する方法を教えてください。 - 医者を志す妻を応援する夫の日記 への返答(How to read English articles? - riverrun past...)の捕捉として。

思いついた順に文章を書くので、このブログは散逸的な悪文に満ちているんだけど、今回は

  • lexical bundlesが日本人の英語学習でもって、「壁」となっている

事実を踏まえ

  • いかにしてlexical bundlesを使わずに会話していくか(バックパックの思い出)
  • いかにしてlexical bundlesをインプットしていくか

で構成されております。

うーん、でも"lexical bundles"以外にも日本人の英語嫌いを構成しているものが何かあるのかもしれない。id:rhbの主張する文法についても触れたいのだが、その前にMarnierは思うところがあるので、もしかしたら続く。

ぴのぴの 2009/10/26 01:55 スピーキングで重要なのは自分の言いたい事を自分が言える言葉に瞬時に変換する能力だと思います。長くて難しい言い回しを記憶しても一瞬で口に出来なければ会話には使えないので、「Do you mean〜」とか「there is 〜」など汎用性が高くて比較的短いフレーズを複数覚えた方が会話には役立ちそうです。複雑な時制とか単語帳で名詞だけ覚えても会話だと厳しいですね。

僕は中学レベルの英語能力しかありませんが、スピーキングのトレーニングを受けたのでグタグダのブロークン英語ですが日常会話なら一応成り立ちます。意味が分からない時も「それ、分からない」と反応出来るのも大事なコミュニケーションだと思いますよ。

ayokoyamaukayokoyamauk 2009/10/26 04:09 人生のちょうど半分を英国で暮らしましたが、来たときは高校生レベルの英語。友達はできたし、相手の言ってることにコメントしたいけど、頭の中で何を言うかセンテンスをくみたてているうちに会話が先に進んじゃう。でも、それはひとえに訓練です。日本にいるとき役立ったのは、映画やドラマを英語で聞いて「これはXXに会うとき使えるな」と思う文章を丸暗記。そのあと実践で外国人を相手に何度か使うとスラスラと文章が言えるようになります。もうひとつ、外国人を前に予想しない質問を受けるとしどろもどろになるので、地下鉄を待っている間とか、一人でいる間に頭の中で考えることを英語で行うよう心がけましたね。これはすごく効果あります。そうやって自信が少しづつついてくると、間違えることを恐れなくなります。間違えたっていいんです、まずは相手に自分が言いたいことが伝わるのが一番大切ですから。

MarnierMarnier 2009/10/26 07:26 コメントありがとうございます。英語は使ってなんぼ。もちろん向上心は必要ですがw
>ぴのさん「Do you mean〜」とか「there is 〜」
まさにlexical bundlesです。そして、これこそがブロークン英会話の最強Tipsですね。短い表現、というところがミソです。
>ayokoyamaukさん
いや、全く同意見です。嬉しくなるw 映画やドラマは抜群の教材です。ビジネスから日常会話から口説き文句から、あらゆるジャンルが揃っている。こんなのNHKのラジオ口座にはできっこない。しかも、日本国内にいてもできる。
>id:KoshianX さん はてブの返答
鋭い質問です。わたしもlexical bundlesを、それってidiomとは違うのか?とネイティブ(しかも言語学を専攻していた)にきいたことがあります。その時受けた説明が確か、idiom とは「run away」「a lot of」のように、一単語では意味が通じない一連の語句のこと。lexical bundles とは、エントリに例文があがっていますが、単語のよく使われる組み合わせ、自然な語のつながり、のこと。ふーん、よく分からん。ただ「go ahead」は間違いなくidiomですが上の文ではlexical bundlesとして紹介されています。「Is this seat free?」あたりだと、idiomでは説明できない。そういうことで、英語の専門家が新しく作ったコンセプトなのだなとこっそり思ってます。
あー、あんまり良い説明ではありませんが、答えは「違う(らしいよ)」で。

kota2009kota2009 2009/10/26 08:01 >日本人の英語嫌いを構成しているものが何かあるのかもしれない
単語数だとか文法だとか言う前に日本人は英語が嫌いなんだと普段から思っていたので、この文章が響きました。英語で小説が書けるレベルと雑談が出来るレベルとは質的に違うので、雑談が出来るレベルを目指す分には英語を嫌いにならないでも良いと思っています。

aa 2009/10/26 09:53 I read the Japanese version of this post first and got the impression that you were quite good at English.
But after reading this post, the impression has changed.
To put it bluntly, your English is not good enough.
The most serious flaw in your English composition is that you seem to be ignorant of articles.
For example, you put "she happened to kill Japanese boy", but the word "boy" must come with either "a" or "the".
I'm of the opinion that rather than rote-memorizing "bundles", you should learn more about the basic rules of grammar.
Sorry if I sound discouraging.

MarnierMarnier 2009/10/26 10:16 >kota2009さん
なんとかここらへんでエントリあげたいんだけど、週末かなー
>aさん
はーい、ありがとうございます。このミスはよくやりますww 訂正しておきました。

tennteketennteke 2009/10/26 10:57 こんにちは。
教科書だとレベルアップ時がグラデーション状ではなく段階になっているから、圧倒的多数がそれぞれの限界に達するとお手上げ状態になってしまうのだと思います。
だから英語だけでなく数学だってコンピューター言語だって、最初は「なめてんのか?」ってくらい易しいのに、多くの人がどっかで「もうついていけない」と匙を投げてしまいます。
一方で歴史とか地理とかなら、興味さえ持てばどこから始めてもいいし、自分で繋がり見つけて別の(次の、ではない)ものに手を出すのも容易です。(基本的に「基礎」は後回しでよい)
あと「英語の上達」というのが日常と学術ではまた違うでしょう、
日常会話から始めて英語が上達しても、「辞書を引く」「文献を調べる」などの技術を磨かないと論文は書けないでしょうし。