大勢の報道陣を前に日本球界入り希望を表明する菊地=花巻東高校で(福永忠敬撮影)
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言葉に力がこもった。「ありがたい。これでもう、指名しない手はないということです」。中日・中田スカウト部長は、花巻東・菊池の選択を大歓迎した。
もともと「たとえ大リーグ志望を公表しても、1%でも可能性があるならば指名する」とその熱意を公言していた。「1%が(日本球界でプレーするという意味で)100%になったんだから」。大きな前進と言わんばかりの口調だ。17日に学校であいさつした早川チーフスカウトらからは「いい感触だった。もし大リーグ志望と言っても、翻せると思う」と報告を受けていたという。
だからこの日の会見で菊池自身が逆の意向を示したとしても、中日側の意志に変わりはなかったかもしれない。9月29日にナゴヤドーム内で西川球団社長、落合監督らフロント、現場トップとドラフトに関する会合を持ったときにも「菊池しかいない」という考えで一致した。
「むしろ(菊池が志望を)大リーグと言ってくれたほうが(ドラフトで競合する)相手が減ってよかったかもしれない」と苦笑いさえした。問題は最多で9という重複指名球団の数。「交渉権を得ないことには何も始まりませんから。(くじを引く)西川球団社長に頑張ってもらいたい」。スカウト部門の責任者として、中田部長は今から祈るような気持ちで待つ。 (中村浩樹)
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