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ずさん留置業務 行方署員の留置場窃盗 

2009年10月22日

 行方署で留置管理を担当していた元巡査長(38)=懲戒免職=が2月、容疑者ら留置人の現金を盗んだ事件で、県警監察室は21日、内部規則により2人で勤務しなければならない留置業務が、同署では勝手に1人勤務に変えられ、1人は休憩していた実態を明らかにした。現金を保管する保管庫も常に鍵が掛けられていなかった。こうした組織の怠慢さが窃盗事件につながったと見られる。同室は同日付で、当時の留置管理課長(48)ら8人を懲戒処分などにしたと発表した。(大蔦幸)

 同室の調べによると、内規違反の勤務態勢は元巡査長が提案し、08年5月ごろから09年2月まで続いたという。留置場の見回りなどは県警の内規などにより2人で担わなければならないが、同署留置管理課では「1時間交代」にして1人は休憩できるようにしていた。留置人の現金を預かる保管庫の鍵も内規に反し、08年11月ごろから常に開いた状態だった。このため、元巡査長はたやすく、保管庫から現金を盗めたと見られる。

 同室は事件が起きた原因に、勤務態勢の怠慢や危機管理上の問題があったと認め、留置業務の勤務態勢を勝手に変えた当時の留置管理課係長(47)=1カ月の減給10%=と、保管庫の施錠を怠った当時の留置管理課長=戒告=の2人を懲戒処分にした。また署員らへの注意を怠った監督責任を問い、当時の署長(59)ら6人を本部長訓戒や所属長訓戒などにした。

 再発防止に向け同室は全署を対象に、留置管理にかかわる勤務の状況を点検し、保管庫の二重施錠を徹底させているという。小野義弘首席監察官は「改めて県民の皆様におわび申し上げます。職員に対する職務倫理を推進し業務管理を徹底したい」とコメントした。

    ◇

 行方署留置場窃盗事件

 2月3日午前3時20分ごろ、行方署留置管理課の保管庫に預けられていた留置人の現金26万円が盗まれた。留置管理課の巡査長(当時)が窃盗罪などに問われ、水戸地裁は懲役2年の実刑判決を言い渡した。巡査長は女性への交際費やパチンコ代などが足りず、消費者金融に多額の借金を抱えていた。

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