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奨学金未回収:支援機構が連絡が取れないケース多数と判明

 大学生に奨学金を貸与する独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)で、貸出先住所の管理がずさんで巨額の未回収金が生じている問題で、支援機構が「住所や電話番号を把握している」とする中にも、実際には連絡が取れないケースが見つかっていたことが会計検査院の調べで分かった。

 郵便物が届かずに「住所不明者」となった未回収金が07年度末で133億円あることが既に判明しているが、検査院は「連絡先の把握が不十分なのは133億円にとどまらず、未回収総額約2253億円の相当額にのぼる」と推定。23日、改善を求めた。

 支援機構は奨学生に年1回、返還の残額を通知し、あて先不明で返送されると住所不明者に分類する。だが、検査院の調べで、法的措置の予告のため送った「支払督促申立予告書」3万5165件のうち1269件(3.6%)が返送され、新たに住所不明と判明。さらに、支援機構は延滞1年以上で連絡先が把握できている場合、民間の債権回収会社に督促を委託するが、07年度の委託分8231件のうち5121件(62.2%)は電話番号が変わるなど連絡が取れなかった。【苅田伸宏、松谷譲二】

 ◇連絡先の把握 文科相が指示

 支援機構への会計検査院の指摘について、川端達夫文部科学相は23日「(貸与先の)住所が分からないというのは非常に問題。あらゆる手立てでしっかりと把握すべきだ」と述べ、機構側に対策を取るよう指示したことを明らかにした。【加藤隆寛】

 ◇滞納の元学生ら減免申請書提出 支援団体40人分

 支援機構に対し、奨学生の支援団体は23日、失業や低所得などで滞納している40人について返還猶予や延滞金の減額・免除を求める申請書を提出した。

 40人は先月、東京や関西圏などの支援団体に相談を寄せた奨学生と、連帯保証人である親たち。北海道に住む70代男性は、奨学生だった息子が失業し、行方不明になった。以来、年金を返済に充ててきたが、滞納による延滞金を含め約80万円が残る。福岡県の20代女性は約120万円が未返済だが、数年前に父親を亡くした上、うつ病を患って働けない状態という。

毎日新聞 2009年10月23日 20時35分

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