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夢いっぱいの3坪八百屋、OLやめ開業 調理法も紹介(1/2ページ)

2009年10月25日12時19分

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写真:1年8カ月の修業を経て「瑞花」をオープンさせた矢嶋さん。「おいしい野菜を食べれば心も体も豊かになる」と話す=東京都新宿区市谷山伏町1年8カ月の修業を経て「瑞花」をオープンさせた矢嶋さん。「おいしい野菜を食べれば心も体も豊かになる」と話す=東京都新宿区市谷山伏町

 八百屋「瑞花(すいか)」。矢嶋文子さん(33)がOLをやめ、青果卸店で2年近く修業して、8月に開いたばかりの店だ。「野菜を食べて心も体も丈夫に。選び方や調理法も紹介していきたい」。東京都新宿区市谷山伏町の住宅街にある3坪ほどの店には、矢嶋さんの夢が詰まっている。

 入り口ののれんをくぐると、シメジや小松菜、ニンジン、里芋、春菊……と色とりどりの野菜が所狭しと並ぶ。自然栽培と有機栽培を中心に「そのときに一番おいしい野菜」をいつも約30種類そろえる。店内では矢嶋さんがつくった旬の野菜の料理の試食もあり、口コミで徐々に話題になり、常連客も増えてきた。

 八百屋を目指したきっかけは、OL時代に目にした何げない風景だった。電車の中でぐったりしているサラリーマン、塾通いの子供たち……。学習塾関連の会社で働いていた自分もバランスが悪い食生活を送っていた。「体も心も豊かになれる食べ物って何だろう」。真っ先に浮かんだのが大好きな野菜だった。何か野菜を扱う仕事につきたい――。

 05年秋にOLをやめ、まずは調理師免許を取った。野菜のことをもっと知ろうと知人の紹介で青果卸店「築地御厨(みくりや)」に弟子入り。野菜を愛して真剣に働く先輩たちや事務所に積まれた野菜の迫力に心動かされ、「八百屋をやってみたい」と思い立った。

 「うんちくよりも、たくさん触って、たくさん食べろ」。師匠の言葉にならい、黙々と野菜の箱詰めを続けた。野菜だけで驚くほどおいしいポトフ。ポキッと折っても、切り口同士が元通りにひっつくほど生命力にあふれたキュウリ。発見の連続だった1年8カ月の修業を終え、念願だった自分の店の開店にこぎつけた。

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