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CO2は経済活動と密接なかかわりを持っている。物を作っても、運んでも、売っても、買ってもCO2は出る。最近ではCO2排出を抑制することを諦めて、火力発電所で出たCO2をそのまま地中に埋めてしまったり、南極の海に鉄を撒いて、特殊なプランクトンを増殖させCO2を吸収させたりする「ジオ・エンジニアリング」なる発想も生まれてきている。そのようなSFまがいの発想とは対照的な、一本一本木を植えたり、森を再生したりする地道な作業で本当に温暖化を食い止められるのだろうか?
「経済活動重視で考えるとジオ・エンジニアリングのような発想が生まれてくるのも当然でしょう。これについて100%悪いとは思いません。なにか問題があるところには、ビジネスチャンスがあると考える人たちがいるものだし、技術者たちは科学技術を信じて何かを発明し続けなければならない。
僕自身、森を回復する運動を行っていますが、正直に言って、木を植え森を作るだけではもう間に合わないと感じています。世界の森は回復するよりももっと速いペースで消滅しています。いずれにせよ、温暖化の問題は予想よりずっと早く、そしてもっと大きな形で顕在化するのではないかという気がしています。そうなったときに人類の破滅を回避するための応急処置として、ジオ・エンジニアリング的な発想が必要になってくるかもしれない。
問題は、地球の気候を操作するような技術を人類が扱いきれるのかということです。原子力に放射能という副産物があるように、そうした科学技術には負の作用が生じることもあるでしょう。
そもそも僕は地球が温暖化しているというデータが誤りであっても、仮にCO2が地球温暖化とまったく関係ないとしても、人類は低炭素社会に移行すべきだと思っています。何億年も前の植物の死骸を使ってエネルギーを得て、そのエネルギーを運ぶのにもまたエネルギーを使って、という無駄の多い消費スタイルはやめて、サステナブルなエネルギー源を得るべきでしょう。地球に無尽蔵にあるエネルギーといえば、太陽由来のものであるということは子供にもわかる単純な話です。そろそろ人類も文明の新しい段階に移行してもいいんじゃないでしょうか。
モア・トゥリーズの活動を通じて、人類が次のステップに踏み出すための意識改革を後押しできればいいと思います。植物や藻類ほど太陽エネルギーを効率よく生命活動に使っている生き物はいません。そしてわれわれも含めて全ての生物は彼らに依拠しています」
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