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「署名拒み電気ショック」グアンタナモ元収容者が講演

2009年10月24日19時8分

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写真:ムラット・クルナズさん=アムネスティ・インターナショナル日本提供ムラット・クルナズさん=アムネスティ・インターナショナル日本提供

 キューバにあるグアンタナモ米軍基地の対テロ戦収容所に、無実なのに収容されたムラット・クルナズさん(27)が、自身の体験を語るため来日した。収容所はオバマ大統領が来年1月までに閉鎖すると表明したが、200人以上が収容されたまま。「収容所の実態を多くの人に知ってもらいたい」と、24日から全国8都市で講演する。

 クルナズさんは、トルコ人移民だった両親の間にドイツで生まれた。結婚して3カ月後の01年10月、聖典コーランを学ぶためパキスタンへ。帰国直前に現地当局に拘束され、米軍に引き渡された。グアンタナモに移送されたのは翌年2月。「アルカイダのメンバーだ」と認める文書への署名を拒否すると、電気ショックにかけられたという。

 ある日、尋問した米兵から、自分が3千ドルで売られたことを聞かされる。当時、テロリスト摘発に米政府は報賞金を出していた。収容所に子どもやホームレス、高齢者が多い理由がわかった。「無実の人間をゴミのように売買するなんて」

 06年8月、突然解放され、祖国へ戻った。だが、妻は2年前に離婚届を出し、大好きだった叔父は病死していた。友人たちは距離を置くようになり、職を求めても名前を告げると断られた。

 今は収容所閉鎖を求めて欧州各国で講演を続けている。24日夕に横浜、25日午後に東京で講演する。詳細は、アムネスティ・インターナショナル日本のサイト(http://www.amnesty.or.jp/)へ。(杉山麻里子)

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