総務相、103項目を優先見直し 分権委勧告の「国の義務付け」原口一博総務相は21日、地方分権改革推進委員会が廃止を含む見直しを提言した、地方自治体に対する国の「義務付け」892項目のうち、地方側の批判が強い保育所の最低面積や生活道路の基準など103項目を優先的に見直す方針を決めた。来年の通常国会での法改正に向けて、関係省庁と調整する。 103項目は全国知事会や全国市長会が見直しを求めていた項目で、住民生活に身近な規制が多い。こうした義務付けが撤廃されれば、都市部でも保育所が設置しやすくなって待機児童の解消が期待できるなど、住民のメリットにつながりそうだ。 政府は今月8日の分権委第3次勧告に盛り込まれた義務付けを見直すかどうかなどを各省庁に文書で照会し、103項目については「来年の通常国会での法改正を原則とする」とした上で11月4日までの回答を要請。 さらに、法改正を待たず、暫定措置として政省令の改正などで直ちに見直し可能な義務付け項目を今月26日までに報告するよう求めている。 権限が縮小する省庁の反発も予想されるが、原口氏は「省庁の抵抗は鳩山政権では許されない」と強調。政治主導で合意を取り付け、政府が年内に作成する分権改革推進計画に103項目を中心に義務付けの見直しを盛り込み、通常国会に法改正案を提出する考えだ。 103項目に該当するのは、児童福祉法に基づき「保育室は幼児1人当たり1・98平方メートル以上」などとした保育所の最低面積や「生活道路の歩道の幅は2メートル以上」(道路法)、「公営住宅の入居者の収入は月15万8千円以下」(公営住宅法)など。 【共同通信】
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