前回記事に書いたように初めてのデュアルコアCPU、しかもメインのCPUとして今後も使うCPUとしてAthlon64x2 5200+を買うことを決心した私は購入後、早速帰宅して帰ってきて、CPUを交換してみた。 とりあえず動くことは動いた。 さてここで問題が発生する。(というか覚悟・予測していたことだが。) 私はOSの再インストールというものが大嫌いで、 「Windowsの再インストールは極力避けよう」シリーズ http://dennou.stakasaki.net/#no_inst を作っているほどなのだが、CPU交換の場合にはマザーボードよりも簡単で、OS再インストールなしで済むことが一般的である。ところがシングルコアからデュアルコアなどへの換装の場合には違っていて、再インストールをせねばならない(したほうが望ましい)という。 この記事は 「シングルコアCPUからデュアルコアCPUへの CPU交換記」シリーズ(全6回) の一部です。このシリーズの他の記事は 当ブログのCPUテーマ記事一覧からどうぞ。
[マルチのCPUを認識させる] この問題はデュアルコアCPU以前の、デュアルCPUや仮想的なデュアルCPU技術であるHyperThreading(ハイパースレッディング)の時にも指摘されており、それらについては以下のようなページもある。 ・WindowsXPでのHyperThreading有効化 http://www.orio-n.net/winxp_ht_enable.htm ・再インストール無しで"DUAL-Core"しよう!(^^; http://homepage2.nifty.com/NewBeetle/page014.html で、これらのページを読む限り、WindowsXPではOSを再インストールしなくてもデュアルコアCPUとしてOSに認識させることはなんとか出来そうのように思える。 ということで、マザーボード交換の場合にはVistaの再インストールなしが比較的すんなり行ったこともあり、すっかり高をくくっていた。 これが見事にVistaで撃沈されることになる。 [CPU使用率が2つにならない] 物理的なデュアルコアCPUへの交換は成功し、Windowsは一見、問題なく起動したように見えるのだが、OSがデュアルコアとして認識しているかどうかはタスクマネージャのCPU使用率を見ると分かる。 デュアルコア(もしくはハイパースレッディングやマルチCPUでも同じだが)下記の画像 のようにCPU使用率のグラフが、並列に2つになる。 しかしOSを再インストールしないまま、 Athlon64 3800+ から Athlon64x2 5200+ に交換しただけではそうならなかったのである。 [なんとその方法はヘルプにあった....のだが] まず前述の他の方のサイトに書いてある方法(ただしそれはWindows2000やWindowsXPでのものだったが)を行ってみたが、うまくいかなかった。 しかしそれを参考に右往左往しているうちに、デバイスマネージャのヘルプにまさしく私が今回求めている情報が書かれていることに気がつく。 すなわち 「ユニプロセッサ コンピュータを マルチプロセッサ コンピュータにアップグレードする」 (下画像参照) という項目で、シングルのCPUをデュアルCPUにする場合の方法であると思われる。 以下、概略を引用する。 このトピックでは、コンピュータをシングル プロセッサからマルチプロセッサ システムにアップグレードするときに、特定のデバイスを構成する方法について説明します。引用以上。 ところが上の手順を実際にやってみると 私のシステムでは7の時に ・「ACPI (Advanced Configuration and Power Interface)PC」 ・「ACPI x86 ベース PC」 の二つが出てくる(画像参照) のだがそれらを変更してもCPUへの認識は改善されない。すなわちデュアルコアがデュアルと認識されないのである。 一応administratorのアカウントでもやってみたが同じであった。 ちなみに前述紹介したサイトで書いてある、WindowsXPや2000でCPUの種類の認識を変えるのも、 上のヘルプで書いてあるのと基本的に同様な方法のように読める。 しかし重要なのは他の方のページよりもVista上のヘルプに上のように書いてあることで、それがあるならVistaでも同様に出来ると思うのだが... ちなみに全く関係のない、別なデバイスで同様な操作を したところ、確かにデバイスドライバの選択でいろいろなモデルが出てくることを確認した。 そう考えて、よくよく読んでみると上のヘルプには「プロセッサ」とあるので マルチコアの場合には違うのだろうか。 mixiで他のVistaをお使いの方に聞いてみたところ、当方と同じ状況であるようだ。 [いろいろいじっていたらかなり最悪の状況に+_+] で、ともあれ、上記の部分に関するデバイスドライバーらしきものを再認識させようとして、削除しまくったところ、なんだか非常に悪い状況になってしまった。 まずモデルとして少なくとも2つあったのだが、やがて「ACPI (Advanced Configuration and Power Interface)PC」だけしかなくなり「ACPI x86 ベース PC」 が全然出てこない状況になった。 そしてそれ以上アホなことになったのは、どうもすべてのデバイスドライバーを削除してしまったらしい! Vistaでは非常に多くのデバイスドライバが付属していおり、しかも以前に一度は導入したドライバがほとんどなためか、なんとかVista自体は起動し、いちいちすべてのドライバを再認識していったが、全部のデバイスドライバを再認識というのはかなり拙い状況だった気がする。 で、結局のところ、肝心のデュアルコア認識は出来なかったのである。 [シングルコアよりもひどい稼働状態?] 全デバイスドライバの削除という、最悪に近い行為をしてしまい、しかも思いつく限りの方法を試してもOSにデュアルコアと認識させることが出来なかった私は、さすがに今回はOSの再インストールをせねばならぬことを薄々覚悟し始めた。 私は本当にOS再インストールが嫌いで、憎んですらいる気がする。実は全ドライバ削除のアホをする前は、認識されないのならこのままでいっか、ということまで考えていた。 しかしようやく再インストールも覚悟する気になった私は、まあとりあえずその前に、デュアルコアと認識されない段階での、デュアルコアでのベンチマークテストをしてみることにした。ところが....
見ると分かるように、シングルコアで2.4GHzのAthlon64よりも、デュアルコアで2.6GHzのAthlon64x2の方がスコアが落ちてしまったのである! 数値を見る前の段階で、ベンチマークテストの3Dの時に後者ではどうも駒落ちというか、動作がカクカクしており、明らかにおかしかった。 OSを再インストールしない状況では不具合が出ることは教えられていたが、仕様を単純に見る限り、Athlon64x2の5200+というCPUは半分にしてもそれぞれがAthlon64 3800+のCPUよりも上になるくらいなので、まさか前者が後者に劣る結果が出るとは思いもしなかったのである。(なおAthlon64 3800+の調査はデバイスドライバーを全削除する前のものなので、Athlon64x2での結果がその影響を得た物かは不明である。) もはやこれを見せつけられてはさすがにOSの再インストールを決心せねばならなくなった。そうでないと何のために今までの最高額を出して高いCPUを買ったか分かりゃしないではないか! [修復インストールも出来ずに結局Vistaの再インストール] ということで、結局、Vistaを再インストールすることになった。だがそれでも無条件降伏をするつもりはなかった。 WindowsXP以前には修復インストールというものがあり、それを使うとOSの再インストールをするにも拘わらず、アプリケーションの再インストールを不要にすることが出来る。 それをVistaでも使おうとったのだが、今回探したのだがVistaでは見つけることが出来なかったのだ!Vistaには修復セットアップが存在しないのか!? その結果、OS再インストール=クリーンインストールという、私にとっては最悪のパターンになったわけである。 再インストールなしのマザーボード交換には基本的に勝利していた私であったが、今回のstrong>「Vista再インストールなしにマルチコアCPUへ交換」には見事に大敗北したのである。 [デュアルコアCPU導入の大勝利] で、OS再インストールの結果どうなったということについては、これはもはやデュアルコアCPUについての報告・感想になるので、別途記事を書くことにしたい。結論だけ述べると、導入して大正解、マルチタスクもVistaもサクサク!という感じである。 (別記事「デュアルコアCPU、Athlon64x2は偉大だ!マルチタスク操作性が超改善!」につづく) [今後の課題と情報募集] 今回、敗北してしまったわけだが、私としては困った自体になってしまった。シングルコアとデュアルコアの間で(CPUやマザーボードを)取っ替え引っ替えすることが躊躇われる状況になってしまったからだ。 疑問がいろいろある。
検証できることもあるのだが、とりあえずはしばらくデュアルコアの快調をじっくり楽しみたいので、私自身の検証は今後の課題としたい。 もしこの問題について情報や(前向きな)御意見がある方は是非頂きたいと思います。お願いいたします。 (「シングルコアからデュアルコアCPUへのCPU交換記」シリーズ終わり) |
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どこからか流れてたどり着いたこのページを、熱い視線で読みきってしまいました。 なんとか再インストールしないで乗り切って欲しいという熱い思いと、吹き出しってしまいそうな表現で最後まで読みきったのですが。 |
ふらいや 2007/05/30 22:22 |
自分はゲームだけするので、シングル3500 |
大変参考になりました。 2007/06/06 23:41 |
正直、試行錯誤する前に再インストールした方が早いです |
おせっかいですが 2007/09/29 13:29 |
メーカー製CeleronD の3.46GHz→流用でE6400でもシングル状態! |
同じ症状中 2008/03/21 01:33 |
昨日Vistaで無事にマザボ交換できました(ノートラブルで)。 |
参考になりますね 2008/05/21 17:08 |
XPのようにインストールディスクのSUPORTフォルダの中のSYSPREPは無いんだろうか? |
マグロマスター 2008/09/16 07:49 |
そもそもOS入れなおすのが嫌な理由が理解できない訳で。 |
スレからきました 2009/05/04 01:06 |
なぜVistaにはXPのような修復セットアップが存在しないのでしょうか。これがあれば、(すくなくともわたしには)マザーボードの交換報告は必要ないものでしたのに。 |
訳あり↑ 2009/08/05 15:49 |
中途半端ですが。VISTAでデュアルCPU交換後にスタート→検索→ |
たま 2009/09/23 12:02 |
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