鳩山由紀夫首相は23日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を年内に判断する考えを示した。岡田克也外相は同日、県外への移設を断念する意向を表明。06年の日米合意で移設先とされている同県名護市辺野古以外の選択肢を年内に探すことは困難で、政府として、現行案かその微修正を受け入れざるを得ない可能性が強まった。
岡田氏は会見で、普天間飛行場の機能を米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)に統合する案にも言及したが、米側が否定的な上、地元の反発も強く、実現の可能性は低い。
民主党は県外、国外への移設を念頭に、衆院選マニフェスト(政権公約)で「米軍再編の見直し」を掲げていた。辺野古移設を容認すれば、公約違反との批判を招くことは必至。社民党との連立も揺らぎかねない。米側と合意できたとしても、地元の反対が強まって、普天間移設が再び暗礁に乗り上げる恐れもある。
首相はこれまで、来年1月の名護市長選の後に判断を先送りする姿勢だったが、23日夕、記者団に「市長選の後じゃなきゃいけないと言ったつもりはない」と述べた。
20日に来日したゲーツ米国防長官が先送りに強く反発。23日朝に岡田外相、北沢俊美防衛相と意見交換し、年内に政府としての判断を米側に伝えることが望ましいとの見解で一致したと見られる。