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押尾被告の初公判、証拠メールに苦しい弁明 (2/2ページ)

2009.10.24 05:10
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押尾被告の初公判、証拠メールに苦しい弁明
初公判を終え、関係者らと自宅マンションに戻った押尾学被告(右)=東京・多摩市(撮影・大橋純人)【フォト】

 午後1時半からの初公判に黒っぽいスーツに白シャツ、ストライプのネクタイで出廷した押尾被告。保釈時より短くカットされた髪の側頭部は白髪で覆われ、額の広さも目立つ。起訴事実については「(間違い)ありません」と認めた。

 その後の被告人質問で、MDMAを持ってきたのは現場で死亡した東京・銀座の元クラブホステス、田中香織さんと明言。違法薬物と知っていたが、「軽いノリで飲んでしまった」と話した。 検察側はここで、とっておきの攻撃材料を出し、被告を責め立てる。

 六本木のマンションで田中さんと会う前、押尾被告が送ったメールだ。

 検察官「『来たらすぐいる?』ですね」

 この「いる?」の意味をめぐる検察Vs押尾の攻防戦が展開していく。

 被告「『僕自身をいるか?』という意味で、『薬がいるか?』と聞いたのではありません」

 検察官「『僕自身』とは陰茎のことですか?」

 被告「……はい」

 検察官「セックスは『いる』ではなく、『する』とか『やる』とかいうのではないか?」

 声が小さく、裁判官から何度も注意される押尾被告。たたみかける検察側に、ますますうつむき加減で口調もしどろもどろに。田中さんが薬物を持参したとの主張が崩される寸前だったが、被告はあくまで「セックス」説を押し通した。

 さらに事件以前にも、田中さんがMDMAやコカインを使用したのを見たと強調。薬物使用に積極的だったのは田中さんで、自身はいかにも消極的だったとの印象を植え付ける“死人に口なし戦術”か…。

 だが2年前に米国でMDMAを覚え、今年3月と7月にも米国で使用したことは認めた。検察側は「(米国人男性に)『MDMAが大好きなだけでファックしたい女はいないか』というメールを送ってないか」と追及。被告はこのメールについては認めなかったが、少なくとも2年前から薬物汚染されていた現実は浮き彫りとなった。

 板倉宏日大名誉教授(75)は「都合の悪いことはとぼけている感じ。死亡した女性に(薬物の)責任をかぶせる発言が多かった」と指摘。「いる?」の解釈も「常識的に考えれば、いる=物で、薬物がいる?と第三者に受け取られても仕方ない」と断罪した。

 検察側は被告の言い分を「こじつけの弁解」と斬り捨て、懲役1年6月を求刑。判決は11月2日で“早期決着”の感があるが、捜査当局は田中さん死亡の経緯に関して捜査を急いでいる。第2弾の立件も近いのか?




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