行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)の下で「事業仕分け」を担当する国会議員チームは23日午後、財務省主計局からのヒアリングを予定していたが、民主党の小沢一郎幹事長が不快感を周辺に伝えたため取りやめに追い込まれた。メンバーが作業に伴い国会審議に参加しづらくなることや、人選で十分な調整がなかったのが理由。メンバーの差し替えや削減も取りざたされ、首相の指示で始まった一大プロジェクトは、内輪の調整不足で出遅れる事態となった。
「怒とうのような日々が1カ月ほど続くと思う。よろしくお願いする」
作業チームを統括する枝野幸男元政調会長は23日朝、メンバー約30人を前に作業開始を宣言。しかし、休憩中に小沢氏に近い議員から新人議員に会合への出席自粛を求める電話が入り、午後の会合は中止となった。
民主党国対は衆院選で誕生した143人の新人議員に対し、国会開会中は火曜から金曜の朝に1時間ほどの研修を行うと決めていた。一方、作業チームには14人の新人議員が参加。仕分け作業が本格化すれば、研修や国会の委員会活動との両立が困難と見られ、国対側に問題視する空気が広がっていた。
山岡賢次国対委員長も23日午後、平野博文官房長官に「研修を優先していただきたい」と要望。平野氏は「仕切り直します」と応じた。
善後策を巡り、政府と党の間で調整が続いているが、32人のメンバーは22日に首相官邸で鳩山首相自身から「必殺事業仕分け人」と激励された面々。変更があれば「首相の権威にかかわる」(中堅)との声もあり、落としどころは見えていない。【小山由宇】
毎日新聞 2009年10月23日 20時49分(最終更新 10月23日 23時01分)