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<ステロイド外用剤のうそとほんと>
- ステロイド外用剤を一度使用すると、やめられなくなる。
- うそ:上手に使用して症状を改善することができればくすりをやめることもできます。
- ステロイド外用剤は炎症を抑えるくすりで、病気そのものを治すものではありません。
医師は患者さんの症状に合わせてステロイド外用剤を使用するかどうかを決めますが、病気によっては、くすりをすぐにやめることのできる場合がたくさんあります。
その逆に、長期にわたって治療を続けなければならない病気もあります。しかし、このような場合でも、ステロイド外用剤だけで治療を続けるわけではなく、また使用量も次第に少量でよくなるのが普通です。長期にわたる治療が必要な場合は、副作用が起こらないように、くすりを上手に使っていきながら、症状を改善していきます。
- ステロイド外用剤を中止すると、リバウンドが起こる。
- うそ:使用法が適切でないと、症状が悪くなることもありますが、それを"リバウンド"とはいいません。
- リバウンドとは、ステロイドの内服や注射での治療を続けている時に、突然中止することによって、もともとの病気の症状以外に、全身的な強い症状が現れることをいい、ただ単に病気が悪化することをいうのではありません。症状を悪化させないためには、自分の勝手な判断でおくすりを中止することなく、医師の指示どおり、上手に減らしていく事が大切です。
- ステロイド外用剤を使用すると、骨がぼろぼろになる。
- うそ:塗りぐすりのステロイド外用剤で、骨に悪い影響が現れることはほとんどありません。
- ステロイドの内服や注射の治療を長い間続けると、体内のステロイドの量がある程度高い状態が持続し、骨がもろくなってしまうことがあります。ステロイド外用剤は、全身への影響を減らし、皮膚だけで作用するように作られたくすりなので、通常の使用量では骨に悪い影響を与えることはほとんどありません。
- ステロイド外用剤を使用すると、ニキビ、おできなどが出来やすくなる。
- ほんと:くすりを塗った部分の免疫力が低下するため、ニキビ、おできなどができることもあります。
- ステロイド外用剤を使用した場合、くすりを塗った部分の皮膚の免疫力が低下し、その部分に細菌などがついて、ニキビやおできが出来やすくなります。早いうちにくすりを中止して、適切な治療を行うと、短期間で治すことができます。
- ステロイド外用剤を使用すると、色が黒く残ってしまう。
- うそ:使用したから黒くなるのではありません。炎症のあとが一時的に黒くなることがありますが、時間が経てば薄くなっていきます。
- 日焼けの後に肌が黒くなるように、皮膚の炎症が治まった後に、肌が黒くなることがあります。ステロイド外用剤を塗った後に色が黒くなるように感じるのは、炎症の赤みで見えなかった色素が、炎症が治まることで、目立って来るからです。その色素も時間とともに徐々に薄くなってきます。
- ステロイド外用剤は皮膚に蓄積する。
- うそ:ステロイド外用剤が皮膚に蓄積することはありません。
- ステロイド外用剤が皮膚に蓄積して、副作用が現れるのではないかと心配する人がいますが、それは正しくありません。
- ステロイド外用剤を長期間使用すると、血管が浮いて、皮膚が薄くなる。
- ほんと:医師の指示を守っておくすりを上手に使えば避けることも出来ます。
- くすりの吸収の良い顔面や、お年寄りの皮膚に、長期間にわたって強いステロイド外用剤を使用し続けると、血管が浮いてきたり、皮膚が薄くなったりすることもあります。しかし、適度な強さのステロイド外用剤を、適切な期間、くすりを休む期間を設けながら使用していけば、避けることもできます。自分勝手な判断で、いつまでも続けて使わないようにしてください。
- ステロイド外用剤を使うと成長障害がおこる。
- うそ:医師の指示どおりの使用では、そのような心配はほとんどありません。
- 乳幼児にステロイドの内服や注射を長期間使用した場合には、成長障害が起こる可能性があります。ステロイド外用剤は、医師の指示どおり通常の塗り方をしていれば、体内に入っていく量はわずかなので、そのような心配はほとんどありません。しかし、乳幼児の場合十分注意しながらくすりをつかっていく必要があります。医師の指示をきちんと守ることが大切です。
- 妊娠中や授乳中にステロイド外用剤を使ってはいけない。
- うそ:産婦人科医や皮膚科医に相談しながらステロイド外用剤を上手に使っていくことができます。
- ス妊娠中のくすりの使用は、胎児への影響を考えて誰もが不安に感じるものです。しかし、ステロイド外用剤を必要とするような皮膚の症状がある場合、くすりを使わないで症状を悪化させると、妊婦への悪影響も心配されます。産婦人科医や皮膚科医と相談して、症状に合わせたステロイド外用剤を上手に使っていくことが大切です。
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