2009年10月23日 23時44分更新
鳥取市の社会福祉法人が、ことし8月に自己破産を申請した建設資材会社に対して、15億6000万円あまりを貸し付け、このうち9億円あまりが返還されていないことがわかり、鳥取県は、不適切な会計処理だとして、23日貸付金を速やかに回収することなどを求めました。
不適切な会計処理が指摘されたのは、特別養護老人ホームや、知的障害者施設などを運営する鳥取市の社会福祉法人、「あすなろ会」です。
鳥取県によりますと、「あすなろ会」は、社会福祉法人が業務以外で資金の貸し付けを禁じられているにもかかわらず、鳥取市の建設資材会社に対して、平成13年度から内部資金や金融機関からの借入金、およそ15億6000万円を貸し付けていた疑いがあるということです。
建設資材会社は、ことし8月、業績不振で自己破産を申請したため貸付金のうち9億円余りが返還されていないということです。
「あすなろ会」の副理事長は、建設資材会社の社長が務めていますが、鳥取県は23日不適切な会計処理だとして「あすなろ会」に対して、事実関係を詳しく調べるとともに貸付金を速やかに回収するよう文書で求めたということです。鳥取県の指摘を受けて「あすなろ会」側は、「一連の会計処理は、法人で正式決定したわけではなく、一部の役員が判断したものだ」などと説明しているということです。