強制連行 原告敗訴確定後、西松と和解
戦時中に強制連行され重労働を強いられたとして中国人の元労働者が西松建設に対して損害賠償を求めた裁判はおととし、原告の敗訴が確定しました。しかし裁判とは別に西松建設は被害救済のため原告側と和解しました。この裁判は、戦時中に現在の安芸太田町にある発電所の工事に従事していた中国人や遺族のうち5人が、西松建設に対して損害賠償を求めていたものです。おととし、最高裁は「1972年の日中共同声明で、個人の請求権もなくなった」として原告の敗訴が確定しましたが、その際、最高裁は、「西松建設には被害者救済に向けた努力が期待される」としました。西松建設は今年4月、原告に和解の意向を示したということです。和解の条項によりますと、西松建設は謝罪の意を表明し、原告だけでなく当時、発電所の工事に関わった360人の中国人労働者を対象に、和解金2億5千万円を払うことで合意しました。この和解に対し、原告を支援する会は「西松建設が尊い決断を下したことに心からの敬意を表す」とコメントしています。いわゆる戦後保障で賠償責任がない企業が保障に応じるのは極めて異例なことです。
(10/23 17:55)