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「意味がない」経産省の事業中断 会計検査院の要求で

10月23日20時46分配信 産経新聞

 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行うエネルギー使用合理化事業者支援補助金制度に関し、23日、会計検査院が経済産業省に「事業の意味がない」と改善を求め、同省やNEDOは21年度事業を中断した。

 事業は、タクシー事業者がデジタル式GPS−AVMシステムを使い、空車タクシーの走行距離を削減させて省エネ化を図るため、タクシー事業者にGPSシステムの基地局設備の導入費用の3分の1を補助するもの。これまでに54のタクシー事業者に8億6490万円が交付されている。

 交付を受けるには、省エネ効果を実証するため、タクシー事業者は計画申請時や補助金交付申請時に設備導入によるエネルギー削減率の目標値を提出し、国交省に事業者認定を受けなければならない。また補助事業終了後にも前後1年間に省エネ率を国交省やNEDOが定めた計算式を用いて測定することが条件。

 会計検査院が調べたところ、事業が空車のタクシーを減らすことを目的としているのに、計算式に用いられる数値には総走行距離が使われ、空車と実車の区別がされていなかった。検査院は補助事業が省エネに役立つか不明だとして、経産省に改善を求めた。

 また国交省はNEDOに比べ省エネ率の目標値が甘く、例えば少しでも数値が減っていれば省エネになるとして事業者認定をしていた。

 ところが、NEDOは1%前後の削減率を想定していたため、交付金が下りないことを危惧(きぐ)したタクシー事業者が国交省の担当者に相談し、数値を書き換えて再提出した例もあった。

 検査院は国交省と経産省、NEDOで省エネ率などの目標値などを統一していない状況も補助事業としては好ましくないと結論づけた。

 ■デジタル式GPS−AVMシステム 衛星を使って走行中のタクシーの位置を把握し、配車、運行管理を行うシステム。

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最終更新:10月23日20時46分

産経新聞

 

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