世界同時発売された米マイクロソフト(MS)の新しい基本ソフト(OS)「Windows7」。不人気だった前作の「Windows Vista」に比べ操作性が良くなったとユーザーは期待し、発売前から盛り上がっていたが、フジテレビ系情報番組「とくダネ!」のスタジオで実際に操作してみたところ、全く動かなかった。中野美奈子アナウンサーから「ソフトは中国版じゃないですよね?」といった「疑惑」発言も飛び出した。
「Windows7」は2009年10月22日に発売。不評だった前作「Vista」の反省を踏まえ、動作の速さ、使い勝手の向上を徹底。モニターに指を触れることで操作できるタッチパネル方式も採用している。事前の評価は高く、国内の1カ月間の事前予約は、前作「Vista」の発売3ヵ月分を超えた。
発売開始のフィーバーぶりを民放各局はこぞって報道する中、09年10月23日の「とくダネ!」では、スタジオにモニターを設置、生放送で「Windows7」を操作した。笠井信輔アナウンサーはタッチパネルの機能を紹介。「バーチャルアース」という立体で描かれた地図ソフトを立ち上げ、指で画面を触ることにより、フジテレビ周辺の画像を出そうとした。笠井アナは、
「画面をポンポンッとね、やると動きますから」
と画面をタッチした。しかし、何も起こらなかった。あわてる笠井アナ。中野アナは「大丈夫ですか?」「指に油がついているとか…」と心配した。
キャスターの小倉智昭さんは、
「昨日ね、スーパーニュースでね、木村(太郎)さんも(操作したが)走らなかったんですよ」
と説明。中野アナいきなり、
「それ(Windows7)、中国版ということじゃないですよね。日本のですよね?」
と発言した。マイクロソフトの担当者を呼んで具合を見てもらったものの、結局ソフトは動かず、笠井アナはソフトに不具合があるのではない、とし、
「大変申し訳ありません。お店で体験してください」
と「実演」を中止した。
放送終了後まもなく、この場面の録画が動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップされ「放送事故!」などと話題になった。中野アナの発言にも注目が集まり、「中国版wwwこの発言いいのか??」「中国版わろた」などが掲示板に書き込まれた。
中野アナの「中国版」発言はなぜ出たのか。「ユーチューブ」にアップされた動画には映っていないが、実はスタジオで「Windows7」を操作する前に、中国で「Windows7」の海賊版が2ヵ月ほど前から出回っていることを紹介していた。
北京のパソコン専門店にテレビカメラが入り、
「本物がほしいの?偽物ならあるよ」
といった店員とのやり取りが放送され、怪しい「Windows7」のパッケージが出てきた。現在、中国の5大都市で47種類の海賊版が流通していて、価格は50元(約670円)。そんなソフトはまともに動くはずもなく、スタジオで「Windows7」が動かないのは、スタッフが間違って海賊版を使っているのではないか、と中野アナが思ったからのようだ。
ちなみに、一度は諦めたスタジオ内での「Windows7」の操作だが、番組終了間際、調整が間に合ったようで、笠井アナがタッチパネルを操作しソフトを動かす映像が流れた。
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