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学資金貸した学生が不明 132億円が回収不能に

10月23日20時20分配信 産経新聞

 経済的な理由で修学することが困難な学生に対し、学資金を貸す事業を行っている独立行政法人日本学生支援機構が、卒業した学生の住所の追跡が不十分なため、約132億8200万円が貸し倒れとなっていることが分かった。会計検査院は23日、同機構に対し、大学などとの連携を強化し、住所の発見に努めることなどの改善を求めた。

 検査院が調査したところ、平成19事業年度末時点で3カ月以上、学資金の返済が滞っている延滞債権21万4220件のうち、1万3269件、約132億8282万円が住所不明者だった。

 また、機構が民間の債権回収会社(サービサー)に回収を委託した8231件のうち、すべて住所などを把握しているはずなのに、約62%にあたる5121件が電話連絡が取れない状況だった。

 また支払督促申立予告書を送付した3万5165件の債権のうち、8826件が住所は分かっているものの配達証明郵便の保管期間が切れたとして機構に返送されてきた。1269件はあて先不明で機構に返送され、住所不明者であることが初めて分かったケースだった。

 こうしたことから検査院は3カ月以上延滞された債権約2252億5466万円の大半が住所不明者となっているものと結論付けた。

 また、検査院が19年3月に卒業した学資金貸与者の状況を調べた結果、8月中旬に「返還開始のお知らせ」23万1310件を送付したところ、1464件があて先不明で機構に返ってきた。しかし機構は第1回振替日の10月27日まで住所調査などを全くしていなかった。

 検査院は機構に債務者の出身大学などと連携を取って住所を把握するよう努めることや債務者への督促を強化することを機構に求めた。

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最終更新:10月23日20時50分

産経新聞

 

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