小沢一郎 定例会見で見せたマスコミ不信
2009年10月23日(金)10時0分配信 日刊ゲンダイ
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「ボクは好きじゃないですよ。好きじゃないけども、やんなきゃいけないからやってるだけ」
民主党の小沢幹事長が19日の定例会見でこう言ってのけた。これには記者や党職員の間からも笑いが起きたという。幹事長就任後も、なかなか会見を開こうとしない小沢に対して、メディアは「説明責任を果たしてない」と批判的だった。それが党役員人事が一段落し、先週から定例会見を始めるようになった。
19日の会見では、細川連立政権時代の「記者会見は義務ではなくサービス」と発言したことを問いただされた。これに対し小沢はこう切り返した。
「キミらは変。(サービスという言葉に)ワーワー騒いだ。サービスっていうのは奉仕するという類のこと。お恵み的にやってやるという意味ではないですよ。素直に取らなきゃ。変に取るからおかしくなる」
マスコミ不信は相変わらずのようだ。
こんな場面もあった。政治資金、企業団体献金の全面禁止問題についての質問に続き、先日、読売新聞が大々的に報じた陸山会(小沢の資金管理団体)の土地購入問題が取り上げられた。当時の口座記録を示すなど説明の予定はあるか、という質問だ。小沢はここも皮肉交じりに軽くいなしてしまう。
「少し経済のことを学んでいただきたいが、売買と登記の時間がずれ込むことはままあること。登記をして権利が確立する。事務方はそれに合わせてやったんだろうと思う。単純なミスの話ですから、精査するように言おうと思う」
精査の言葉は飛び出したが、基本的には問題なし、との認識を強調してみせたのである。記者をうまくあしらい、言うことは言う。すっかり小沢のペースである。
「定例会見の開催は、“小沢ワンマン”とか“二重支配”など、いつまでも好き勝手には書かせないぞ、という小沢流の意思表示ではないか。会見は嫌いだけれど、言いたいことを言ってやろうという思いを感じますね」(政治ジャーナリスト)
この先も小沢ペースで進むのか。
(日刊ゲンダイ2009年10月20日掲載)