史上3人目の高校6冠に輝いたボクシングの日本ミニマム級8位・井岡一翔(20)=井岡=が21日、大阪市内のホテルで会見し、プロ3戦目を12月29日に大阪府立体育会館で行うと発表した。相手はWBC世界Lフライ級10位の国重隆(33)=大阪帝拳=で、プロデビュー戦と同じライトフライ級の体重で行う。また、一翔の叔父で元2階級世界王者の井岡弘樹会長(40)は、この試合にKO勝ちすれば、プロ4戦目で世界挑戦させる計画を明かした。
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ボクシング界のサラブレッドが、早くも世界の舞台へ殴り込みだ。7月のプロ2戦目で日本ミニマム級8位の松本博志(角海老宝石)を2回TKOで下し、日本同級8位にランクインした井岡一翔。3戦目で史上最速日本王座奪取も狙っていたが、“一段飛ばし”で世界ランカーとの対決を選択した。
勝てば世界ランキングが手に入る大一番。「世界ランカーと試合できるっていうのがうれしい」と目を輝かせ、「応援に来て下さる観客に見応えのある試合をしたい」と気合十分。さらに「いい勝ち方をして、来年世界チャンピオンになりたい」と、大きな野望も口にした。
一翔以上に鼻息を荒くしたのが、叔父でもある井岡弘樹会長だ。「(世界挑戦の)権利をもらえるわけですから、チャンスは出る。国重選手にKOで勝てば評価上がるし、ランキングも上がる」と力説。「KOなら可能性は高い」と、プロ4戦目での世界挑戦をぶち上げた。
国内の最速世界王座奪取記録は、辰吉丈一郎(大阪帝拳)と名城信男(六島)が持つプロ8戦目。4戦目での世界挑戦が実現すれば、大幅な記録更新のチャンスだ。井岡会長から大きな期待をかけられた一翔は、「1試合でも早く世界王者になりたい。KOしたい」と言葉に力を込めた。
対戦相手の国重は世界王座挑戦の経験もあるベテランで、これまで何度もスパーリングで胸を借りてきた。「キャリアがあって老かい。厳しい試合になる」と警戒しながらも「スタミナさえつければ負ける気はしない」と、きっぱり。ここでつまずくわけにはいかない。残り2カ月、厳しい体力強化トレーニングに励む。