ロングインタビュー 久石 譲
人生の壁にぶつかった時、彼らは何を思ったか?
あの人の25歳のころと今をインタビュー。
掲載日 2009.09.17
武田篤典(steam)=文
text ATSUNORI TAKEDA
稲田 平=写真
photography PEY INADA
Vol.251 - Page1
「30年来の夢のアルバム」
久石 譲
ひさいし・じょう
1950年長野県生まれ。国立音楽大学在学中よりミニマル・ミュージックに興味を持つ。81年 『MKWAJU』を発表。82年には『INFORMATION』でソロアーティストとして活動。『Piano Stories』をはじめ、多数のソロアルバムをリリース。一方で84年の 『風の谷のナウシカ』 以降、宮崎 駿監督9作品の音楽を担当。北野 武監督の諸作やアカデミー賞外国語映画賞受賞作『おくりびと』など、多数の映画音楽を手がける。09年1月にはクラシックの指揮者デビュー。そしてこの8月、ルーツに立ち返った新作『ミニマリズム』をリリース。さらにアグレッシブな活動を展開する。www.joehisaishi.com
久石 譲ロングインタビュー
その名を見るだけで脳裏に甦る。
ピアノと弦ととても叙情的なメロディ。
それだけでグッとつかまれて、不覚にも泣きそうになる。
でも、べつに泣かせるメロディが得意なわけではない。
音楽づくりの根っこにあるのは高い理想とクールな理論。
クラシックの作曲家が軸足をポップスに移し、活躍してきた。
そして今また、クラシックの側から音楽を作った。
そんな、不安と努力と戦いと理論と、少しの満足のお話。
久石 譲ロングインタビュー
9月2日夜、サントリーホール。
舞台上の久石 譲は何度か小さくガッツポーズをしていた(ように見えた)。コンサートマスターやソリストと握手し、“オーケストラに拍手を”と腕を広げる。満面の笑み。
8月にリリースされたソロアルバム『ミニマリズム』をフィーチャーしたコンサートツアー。開演の直前、舞台に現れた久石 譲は「30年来の夢のアルバムです」と言った。
1950年生まれ。スタジオジブリ作品や北野映画の映画音楽、数々のCM音楽を手がける…というか、すでに頭に何らかの久石メロディが流れてるでしょ? だがそれらはたぶん、彼がポップスに転じてからの作品である。
そもそもは現代音楽の作曲家だ。
久石 譲ロングインタビュー
(掲載日 2009.10.16)
行楽の秋、芸術の秋などなど一般的に定着して使われている「○○の秋」は意外に多い。ところで、この「○○」の中に入る言葉は、食欲とか芸術とかスポーツとか、まったく一貫性がないような気がするけど、そもそも由来はなんなんだろう?