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時評コラム

田原総一朗の政財界「ここだけの話」

過去最大95兆円予算でわかった
民主政権の危うさ

 自民党時代は、すべて官僚がやっていたわけだから、全くオープンではなかった。

 ところが今は、官僚がやっていたことを大臣がやっている。

 そして大臣たちは半ば素人であるがゆえに、官僚と違って機構が良くわかっていないゆえに、疲労困憊(こんぱい)し、苦悩している。しかし、それが国民の目に見えているのは、私は大変よいことだと思っている。

 それによって政治がオープンになるからだ。

 だが、果たして民主党はどこまで再構築できるだろうか。

 無駄をどこまで切れるのだろうか。それが今後の重大な課題だろう。

 同時に、これまで野党だったゆえの欠陥もある。

 選挙前、発表された民主党のマニフェストを見て驚いた。安全保障問題と景気対策が、どこにもない。野党としては必要なかっただろう。

 だが今、それが非常に重要になってきた。政権を取るまでは、何が問題なのかさえわからなかった。

 今ようやく民主党は、問題点がだんだんわかってきた。さあ、そして、その問題点をどうやって解決するのか。

 その解決に向けて、悠長なことは考えていられないだろう。

 この鳩山内閣のもとで、しかも4年かけてではなく、もっと早く解決しなくてはならない。

 それができるかどうか。これから民主党に問われるところだ。

田原総一朗(たはら・そういちろう)
1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。1987年から「朝まで生テレビ!」、1989年からスタートした「サンデープロジェクト」のキャスターを務める。新しいスタイルのテレビ・ジャーナリズムを作りあげたとして、1998年、ギャラクシー35周年記念賞(城戸賞)を受賞。また、オピニオン誌「オフレコ!」を責任編集。2002年4月に母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあたっている。最新刊に「ズバリ!先読み 日本経済」(アスコム)がある。
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