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韓国・現代自動車、強気の価格で日本進出

2000年10月4日
 「本当にそれで戦えるのか」――。韓国最大手の自動車メーカー、現代自動車の日本進出を疑問視する声が国内自動車関係者の間で上がっている。

 現代自動車は来年1月、東京、大阪など全国の大都市に40の専売店を展開、ミニバンやセダンなど3車種を韓国から輸入して販売する。販売担当の日本法人、ヒュンダイモータージャパン(千葉県印西市)の金鎭秀社長は「2001年の販売目標は5000台だが2005年には3万台に持っていく」と意欲を見せる。年3万台は独BMWの日本での今の販売台数に匹敵する水準だ。

 最大の焦点は「価格」だろう。日本メーカーは、ウォン安、人件費安の優位性を生かした低価格路線を最も警戒している。だが、当の現代自動車は、日本メーカーと同等の価格水準で販売するというのだ。

 現代はまだ正式な販売価格を発表していないが、金社長は「『安かろう悪かろう』のイメージを付けたくない。現代自動車グループは、欧米など海外197カ国で年間120万台を販売している実績があり、研究開発(R&D)センターも韓国以外に米国、欧州、日本に持っている。車の魅力で対抗できる」と真っ向勝負を挑む。

 韓国は造船や鉄鋼、半導体など多くの産業で日本に追い付き、あるいは逆転してきた。自動車でもそれが可能、というわけだ。

 だが、車はあくまでも高級消費財。造船、鉄鋼、半導体とは違う高いブランド・イメージが求められる。欧州車のように高級イメージがあるわけではなく、品質で日本車より特に優れているわけでもない――。価格優位を打ち出さないならば「韓国車にシェアを奪われることはない」と日本メーカーが高をくくるのもうなずける。販売開始後に苦戦が続くようであれば、一気に低価格路線に変更してくる可能性も否定できない。 (高柳 正盛)
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