20日の東京外為市場=円全面高、藤井財務相発言がクロス円、ドル・円を圧迫
2009/10/20 15:18
円全面高。ドル・円が90円割れ目前まで下落したほか、ユーロ・円は135円を割り込み朝方の高値135円82銭から約1円下げた。朝方から「実需筋の対主要通貨での円買いフローが大量に流入した」(大手邦銀)とされる。「1ドル=90円ちょうどにきょう20日の東京時間とNY時間に権利行使期限を迎えるオプションが控えているため、同水準に引き寄せられやすかった」(欧州系銀行)との指摘もあった。
午後に藤井裕久財務相が「(過去に)輸出のために意図的に円安に振った時期があり、反省が必要」などと為替介入に否定的な発言をするとクロス円が下落、ドル・円も圧迫された。「ドル・円、クロス円ともに下攻めを狙っているところに藤井財務相の発言が出たために影響が大きくなった」(前出の大手邦銀)とみられる。ドル・円は午前7時以降、90円07銭−90円79銭で推移。一方、ユーロ・円は134円89銭−135円82銭で推移した(午後2時55分現在)。
豪ドル・円も軟調。RBA(豪中銀)が、利上げを決定した6日の理事会の議事要旨を公表。豪ドル・円は議事要旨公表前に84円25銭まで上昇して年初来高値を更新したが、公表後に下落に転じた。市場では「議事要旨は利上げ観測に沿う強い内容だったが、発表前に豪ドル買いポジションが構築されていたために議事要旨公表後は利益確定目的の豪ドル売りが優勢となった」(前出の欧州系銀行)との見方が出ていた。豪ドル・円の午前7時以降の取引レンジは83円52銭−84円25銭(午後2時55分現在)。
ユーロ・ドルは1.5ドル回復目前で一進一退。1.5ドルちょうどに控えるオプションに絡む防戦売りが一段高を阻止。ただ、市場では1.5ドル回復は時間の問題との見方が多い。ユーロ・ドルは午前7時以降、1.4952ドル−1.4992ドルで推移した(午後2時55分現在)。
提供:モーニングスター社