器物損壊事件の捜査で静岡県警の警察官に背後から押され左腕を骨折したとして、沖縄県の30代女性が静岡県に治療費など約200万円の賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(房村精一裁判長)は22日、請求を棄却した1審・静岡地裁判決(4月)を変更し、県に約82万円の支払いを命じる原告逆転勝訴の判決を言い渡した。
判決によると、女性は06年1月、静岡県藤枝市のラーメン店のドアのガラス戸を割ったとして110番通報された。駆けつけた警察官に事情聴取のためパトカーに乗るよう促されたが拒否し、ドアの開いたパトカーの車体に両手をついて抵抗した。房村裁判長は「パトカーに押し込もうと背後から腰や左ひじを押された結果、(バランスを崩し)腕がねじれ骨折したと推定できる」と因果関係を認めた。
1審は「仮に左ひじを押しても、その力が女性を骨折させるほど強いかどうか疑う余地がある。さらに(自ら)倒れ込んで骨折した可能性もある」としていた。【伊藤一郎】
静岡県警の田宮幸弘・警務部参事官兼首席監察官の話 判決文を見ていないので詳細なコメントは差し控えるが、職務執行は適切に行われたものと確信している。
毎日新聞 2009年10月22日 22時48分
10月22日 | 静岡県警:逆転敗訴 女性骨折で賠償命令 東京高裁 |