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  •  【愛国心】田母神氏広島講演 原爆の日 「憂国」の看板が汚れる 

  •  【山陰中央新報のコラム】 誰にだって言論・表現の自由はある▼だが、これはやり過ぎでは。「ヒロシマの平和を疑う」と題する講演を、何と8月6日の広島平和記念日に原爆ドーム近くで行う計画らしい。…自信満々の講演計画だろう。逆に、世界に核廃絶を発信してきたヒロシマは各国の嘲笑を浴びる恐れがある▼8月6日は甲子園球児をはじめ多くの人々が、恒久平和を願い黙祷する。危険人物と悪ぶる横車ならば「憂国」の看板は汚れる。(艇)(2009年7月4日付「明窓」)全文

     ◆田母神氏が予定通り広島で講演(2009年8月6日、共同通信)

     ◆前航空幕僚長の田母神俊雄氏(60)が四日、佐世保市三浦町のアルカスSASEBOで「国防の基盤は愛国心だ!」の題で講演し、核兵器廃絶について「できるわけがない。日本も核武装した方がいい」との認識を示した。田母神氏は核兵器について「一発でも命中すれば、その国は被害に耐えられない。戦争が拡大するのを防ぎ、今後絶対に使われることもない」「核保有国かどうかで国際的な発言力には天と地の違いがある。日本に発言力がないのは核兵器がないからだ」と指摘。…記事全文はこちら(2009年5月5日、長崎新聞)

     【琉球新報のコラム】 …東京裁判を「勝者の裁き」とする批判は今も根強い。被告無罪を主張したパール判事の意見書をめぐる論争もある。60年過ぎてなお、裁判の評価は定まらない。…航空自衛隊トップにあった田母神俊雄氏は「東京裁判はあの戦争の責任を全て日本に押しつけようとしたものである」と論文で批判した▼東京裁判に起因するというマインドコントロールが「日本人を惑わしている」と断じる田母神氏は、戦後日本に憤りを感じるのだろう。だが「勝者の裁き」に憤りつつ灰燼(かいじん)の中から民主国家を目指してきた戦後日本の歩みを「惑い」と形容していいのか…(11月15日付「金口木舌」)全文
    田母神氏の論文全文 (懸賞論文受賞者発表サイト

     【京都新聞のコラム】 …危機的な文民統制を再生するためには制服組幹部の国会承認が有効ではないか。問題発覚後の迅速な処分の障害になった自衛隊法施行規則も、必要に応じて見直すべきだろう。田母神氏の歴史観は、目新しくない。日本にだけ一方的に戦争責任を問う「自虐史観」では、愛国心が育たないとする考え方だ。歴史的事実をねじ曲げてでも美化しないと、本当に日本を愛することができないのか。第三代防衛大校長だった猪木正道氏は「軍国主義が愛国心を不当にゆがめた反動で、戦後は愛国心が否定されてしまった」と「軍国日本の興亡」(中公新書)で指摘している。世界に誇れる堂々とした愛国心のあり方を考えてみたい。(11月14日付「凡語」から)

     【北海道新聞のコラム】 …田母神氏は更迭後、「日本もそろそろ自由に発言できる、という判断が間違っていたのかもしれない」と述べた。「そろそろ」の言葉に、ある変化を感じていた様子がうかがえる。有力政治家がここ何年か、戦争を進めた日本の国のあり方を、はっきり否定しない歴史観を語ってきた▼安倍元首相は「戦争の歴史的な評価は歴史家に任せるべきだ」などと、侵略戦争と認めるのに消極的だった。麻生首相も外相当時、日本は植民地時代に台湾の教育水準を上げた、という内容の発言をした▼九条を照準に改憲への動きが出た。自衛隊の海外での武力行使に道を開く方途が論議された。一連の流れは、田母神氏が「そろそろ」と考える追い風だっただろう。再発防止を言うならこの次元から問い直すのがよい▼自衛隊幹部が侵略の過ちを認めぬとは不安なことだ。暴走の歯止めとなる平和憲法は、やはり失ってはならないと痛感する。(11月5日付「卓上四季」から)

     【岩手日報のコラム】 …現役の航空幕僚長が過去の侵略戦争などを正当化する論文を発表して、更迭された。こういう意見の人が自衛隊のトップにいる現実は深刻だ。▼改憲論議が盛んなころの国会で、大戦に関する「政府見解」が取りざたされたのは記憶に新しい。いまだ「国情」が定まらない不気味さがある。(11月5日付「風土計」から)

     【中日新聞のコラム】 <我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣>。更迭された航空自衛隊の田母神(たもがみ)俊雄航空幕僚長が書いた論文の核心部分である…▼集団的自衛権が行使できないことや、武器使用の制約が多いこと、攻撃的兵器の保有を禁止されていることへの不満も記している。…▼内部ではかなり以前から、気勢をあげていたのではないかと想像できる。その場合はトップの発言だけに、影響を受けている人も少なくないのだろう…胸が騒ぐ。(11月2日付「中日春秋」から)

     【琉球新報の社説】 …立場をわきまえない幼児的な行動や論文の内容には目を疑う。ところで、自分がすべて正しいとする軍の独善的な姿勢に県民は嫌というほど痛めつけられている。
     論文の存在が明らかになった31日、沖縄戦中の「集団自決」(強制集団死)に関し、旧日本軍がどう関与したかが問われた裁判で、大阪高裁は原告である元戦隊長らの訴えを棄却。軍の関与を認めた。…体験者が生存し、事実として明確な証言もある。つまり、「歴史の問題」ではないのだ。
     …田母神氏は今年4月、航空自衛隊のイラク空輸活動を違憲とした名古屋高裁判決についても、「そんなの関係ねえ」などと発言し、ひんしゅくを買ったのは記憶に新しい。このような考え方がトップだけ、というのは想像しづらい。…(11月2日付)全文

     【新潟日報のコラム】 日本には二人のノーベル文学賞受賞者がいる。ご存じの通り、故・川端康成さんと大江健三郎さんだ。大江さんの反戦の訴えはよく知られるが、川端さんも折に触れ平和を論じた。敗戦五年目に「平和を守るため」という一文がある。▼ 「次の戦争の原因は国家と国家、民族と民族のあいだばかりにあるのではなく、…国内にも、さらに一個人の内面にもある」とし、「戦争を一日でも先に延ばすことが、言わば最終戦であろう」と結んだ。恒久的な平和理念や歴史観を守り抜くことがいかに大変か。文豪は戦争体験で知っていたのだろう…空幕長が歴史認識を問われて更迭された。「侵略国家はぬれぎぬ」と中国侵略や朝鮮半島の植民地化まで正当化する。空幕長は、日本人が戦争責任でマインドコントロールされているともいう▼でも、他国を顧みない鎖国状態の歴史認識こそがマインドコントロールではないか。それを解くべきは、こんな人物を実動部隊トップに据える防衛省の方だ。川端さんの「最終戦」は、戦後六十三年経ても厳しさを増している。(11月2日付「日報抄」から)


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