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09年度補正予算:埋蔵金温存 予算の「見栄え」優先 変わらぬ財政悪化

 ◇今年度国債増

 政府が、09年度補正予算の財源となっていた「埋蔵金」約3兆円の10年度当初予算への持ち越しを検討するのは、来年度の国債発行を極力抑えたいとの思惑がある。その分、09年度の国債発行額が膨らむことになり、「見栄え」の問題に過ぎない。多額の国債発行で財政の悪化は進むことには変わりない。

 「今年度の税収は40兆円を割り込む可能性がある」。藤井裕久財務相は20日の会見で、46兆円を見込んでいた税収が経済危機の影響で大幅に落ち込む見通しを示し、落ち込み分は「国債の増発をもって対応する」と明言。国債発行額は初めて50兆円を超える見通しになった。この時期に財務相が言及するのは異例だ。

 一方、来年度予算を巡っては、今月15日に各省が提出した概算要求の総額は、子ども手当などの新政策を盛り込んだため、過去最大の95兆円に膨らんだ。来年度も大幅な税収増は見込めないが、鳩山由紀夫首相は国債発行を今年度補正後の44兆円以下に抑える方針で、財源確保が大きな課題になっている。

 政府が決定した09年度補正予算の2兆9259億円の減額分は、「本来なら今年度の国債発行を抑えるのが財政の常識」(財務省幹部)。しかし国債発行の増加を抑制せずに、「埋蔵金」の財政投融資特別会計の積立金を補正の歳入額から減らし、来年度予算に回す方針だ。来年度の国債発行を抑えられるが、「来年度予算の見栄えをよくするためのつけ替えに過ぎない」との批判も出そうだ。

 菅直人副総理兼国家戦略担当相は、09年度の国債発行が膨らむことは「前政権の負の遺産」と言う。しかし、今年度の国債発行を抑制しようとせずに、前政権に責任を押しつけることは、庭先を掃く行為に過ぎず、「責任政党」としての姿勢が問われることになりかねない。【平地修】

毎日新聞 2009年10月22日 東京朝刊

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