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伊藤忠がユニーと資本・業務提携 流通第3勢力へ
伊藤忠商事と総合小売り4位のユニーは22日、資本・業務提携すると発表した。伊藤忠は来年3月末までにユニーの発行済み株式の約3%を株式市場などで買い付け、資本参加する。両社は商品調達や物流の効率化などを進めるとともに、中国での店舗展開でも協力する。商品買い付けなど“川上”を担当する総合商社と、消費者に近い“川下”に位置する大手流通による企業連合の形成が相次いでおり、両社はセブン&アイホールディングス、イオンの流通2強に次ぐ第3勢力を目指す。
伊藤忠のユニー株取得は約40億円の見込みで、金融機関を除き実質的な筆頭株主になる。両社は平成18年に業務協力を構築し、衣料品や食料品分野の共同開発などに取り組んでいる。今回の提携を機に、共同開発分野の拡大や、ユニーの中国進出にあたって、伊藤忠の海外調達網や物流ネットワークを活用する。
同日午後、記者会見した伊藤忠商事の小林栄三社長は「最重点分野である消費・小売りビジネスを強化したい」と提携の狙いを強調。ユニーの前村哲路社長は「生活提案型のビジネスに力を入れ、コスト構造の大幅な低減にも取り組みたい」と意欲を示した。
スーパーは商社との連携をテコに、仕入れ・開発態勢を見直し、激化する価格競争を勝ち抜こうという協力関係構築の流れが続いている。昨年12月にはスーパー最大手のイオンが、三菱商事から5%の出資を受け入れた。三井物産はセブン&アイホールディングスに、丸紅はダイエーにそれぞれ出資している。
伊藤忠・ユニー連合は、スーパーでは規模で見劣りするものの、コンビニでは一躍主役の座に躍り出る勢いだ。伊藤忠はファミリーマートに約31%出資しているほか、コンビニのエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)の買収をめぐり、親会社のレックス・ホールディングスと交渉中。ユニーは、コンビニ4位のサークルKサンクスを傘下に抱えており、資本提携によって親密さが増すのは間違いない。
将来のファミマとサークルKサンクスの統合の可能性について、小林社長は「互いの企業価値が上がることは進めたい」と述べるにとどめた。伊藤忠によるコンビニ連合が実現すれば店舗数や売上高は、三菱商事が出資する業界2位のローソンをしのぎ、首位のセブン−イレブン・ジャパンにも匹敵する勢力となる。