国会通信 No.407


 【「憲法改正」が争点か? 民主党代表選】

1999/9/13 (マンデーレポート第407回の要旨)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【先週の出来事】 ●2日(木) 商工部会開催。        来年度の概算要求に対する、商工部会所管  通産、経企、公取の方針に        ついてヒアリングしました。                 旧さきがけ系の議員によびかけて鳩山由紀夫支援の集まりを持ちました。  ● 3日(金)から11日(土)まで訪米。    アメリカにおけるインターネットを利用した政治活動の実態調査をするため    訪米しました。    今回は、特に次の大統領選挙の勝利を目指して活発に動いている共和党の関係先    を調査してきました。    調査チームは、私のほかに明治学院大学の川上和久教授、選挙分析専門家の    井関壽夫さん、そしてアメリカの政界関係者と深い接触の経験を持つ三浦博史さん    の3人です。    またそれに先立って、私自身はかねて計画してきたハワイ島にある    オープンまじかの国立天台スバルを視察してきました。    これらの詳細については、後日報告します。 ● 11日(土) 民主党 代表選挙告示。    第一回の立会演説会が、渋谷駅頭で街頭演説の形で行われました。    予想通り、鳩山、菅、横路の3氏が、それぞれ20名の推薦人名簿を 提出して    立候補。    私は、この日の午後3時に成田に着きましたが、そのまま渋谷に直行し、    午後5時半から行われた3氏の街頭第一声を聞きました。    それぞれ十分間の制限時間内で今回の代表戦に望む決意を訴えておりました。    渋谷駅西口前の交差点はあっという間に4000人を超える人の波で    うずまりました。    代表選について意外に関心が深いなと感じました。    一方で自民党の総裁選挙が行われていますが、あちらではすでに小渕総裁再選後、    官房長官、大蔵大臣、幹事長は留任などなど、人事の生臭いはなし。    民主党は、政策論争を中心に自自公との対立軸を明確にしながら、さわやかな    戦いをしたいものです。 ● 12日(日) 鹿沼市議会議員の選挙が行われる。    私の応援している5名の現職、新人はすべて当選をしました。    しかし、ボーダーラインは本当に接戦。    現職の山崎さん、鈴木貢さんは、早々と当確が出ました。    しかし最後の新人、とみくださんの当確が出たのは、翌日13日の午前0時半。    ギリギリまで気を揉みました。    いづれにしても現職の石島さん、寄川さんを含め、先の参議院選挙で私を支援して    くれた皆さんがすべて当選したのは本当にうれしく感じました。    ただ、選挙事務所回りをして自宅に戻ったのが午前2時すぎ。    その後、遅い食事と仮眠をしてから、本日のマンデーレポートにとりかかって    います。そんなわけで今日のレポートにはあまり時間がかけられませんでした。    前回の「モンゴルレポート」、そして今回の「スバル天文台レポート」    「ワシントンレポート」は次回以降に行いたいと思います。    ご了解ください。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【「憲法改正」が争点か? 民主党党首選】    今回の民主党党首選の争点は「憲法改正」と報道するマスコミが多い。    しかし、それは事実に反しています。  1 まず鳩山自身立候補にあたって発表した「政策」は以下のとおりであり、    憲法改正を立候補のポイントにしてはいない。    ※代表選挙立候補にあたって鳩山由紀夫が発表した「日本はもっと良くなれる」     の概要     (1) なぜ代表選挙に立候補するのか?         「自自公=総保守路線の日本瓦解シナリオに対抗する『ニューリベラル』        の政策軸を明らかにするために代表選挙に立候補した。」    (2) 「ニューリベラル」=「第3の道」とはなにか?        「個人の自立を基礎とした市場経済政策」と「弱者に対する思いやりの        セイフティネットを用意する社会政策」の両立を目指すのが        ニューリベラルである。     (3) ニューリベラルがめざす具体的な政策内容     ◆ 1  IT(情報技術)革命による強い経済の再生     ◆ 2  自立支援中心の雇用政策     ◆ 3  NPO(非営利組織)社会と新しい公共心の創造     ◆ 4  自立自尊の外交     ◆ 5  地方主権の確立     2 問われれば、鳩山さんは「憲法改正には積極的に取り組むべきである」と正直に    答えています。    なぜならば、現状と会わなくなっている憲法を見なおす勇気を日本人は失っては    ならないと考えているからである。  3 また、憲法改正についても九条を中心に考えているわけではありません。    この点、マスコミはずいぶん曲解報道しているように感じます。    ◆まず、憲法のなかでは、首相公選制度の採用などの「統治の機構」の見なおしや、     環境権など新たな「人権」の憲法化などの「人権規定」の見なおしを、優先課題     と考えています。    ◆前文や憲法九条などの「平和主義」についての見なおしは、不充分な戦争の歴史     の総括を十分に行う事を先行させた上で、その後に改正の検討を行うべき事で     あると考えています。    ◆現状は誰が見ても「軍隊」であるのにこれを軍隊ではない「自衛隊」だ、     などと無理な解釈をくりかえす。     このような無理な解釈のくりかえしは、それ自体憲法の 平和主義を形骸化     し崩壊させてしまいます。     憲法は平和主義の確立のためにも言葉の明晰さを取り戻すべきです。    ◆鳩山さんの九条論は、自由党党首の小沢さんの改正の方向性とは正反対です。     国権の力を拡充するのが小沢さんだとすれば、鳩山さんの九条論は、むしろ     侵略戦争は二度と繰り返さないという、戦争の反省に立った日本の歴史的な     決断をさらに明確にしようとするものです。     具体的に言えば、わが国は「専守防衛」を国是とする「軍隊」を保有する事を     明言する、さらに「侵略戦争や地域間の紛争解決のために武力行使は行わない」      ことを明記するなど、平和主義の理想をさらに明確にした憲法に改めるべきで     あるといった考え方であると理解しています。    ◆ただこれらのことも、くりかえしになりますが、統治の機構や人権規定の     見なおしの後に検討すべき事。     また、戦争の失敗の原因をきちんと明らかにし、歴史の総括を十分に行った     上で取り組むべき事である事。     の二つをしっかりと強調すべきです。