女優・酒井法子被告の夫で、覚せい剤取締法違反(所持・使用)の罪に問われた自称プロサーファー、高相祐一被告(41)の初公判が21日、東京地裁で開かれた。起訴内容は大筋で認めたが、使用場所を公園から自宅とこれまでの供述と一転。「酒井被告の覚せい剤使用を隠すためだった」と妻をかばうために、うその供述をしたことを明かした。検察側は懲役2年を求刑。弁護側は刑の執行猶予を求めて即日結審した。判決は11月12日に言い渡される。
◇ ◇
高相被告が捜査段階での供述でうそをつき、酒井被告の覚せい剤使用を“隠ぺい工作”していた。
起訴状によれば、高相被告は8月2日、東京・港区の青山公園で覚せい剤を吸引し、翌3日には渋谷区の路上に止めた車内で覚せい剤約0・817グラム、同9日には千葉県勝浦市の別荘で約0・097グラムを所持した、とされる。
高相被告は起訴事実をおおむね認めたが、裁判官から「公園の公衆便所で吸引した」ことを確認されると「トイレでは使用していません。自宅で吸引しました」と否認した。取り調べでの供述を一転させた理由に「当初は法子の逮捕前だったので隠そうと…」とポツリ。自宅での使用を認めることで、酒井被告と薬物が結びつくことを恐れたことを明かした。
さらに酒井被告の代理人で、当時、高相被告の弁護人でもあった榊枝真一弁護士からも「(自宅は)まずいから公園で使ったことにして」と指示されたという。供述を覆したのは、現在の弁護人に正直に話すように諭されたためで「(酒井被告を)かばう必要がなくなった?」と尋ねられるとうなずいた。
さらに、3日に東京・渋谷の路上で現行犯逮捕された際、覚せい剤を所持していた理由に「法子と合流して、一緒に使おうかなと思っていた。自宅に覚せい剤を置いておくと、自分がいない間に法子が隠れて使用してしまう。一人だと大量に使って危険だと思った」と、夫婦で常習していた様子も告白した。
また、酒井被告とは離婚しない意向も示した。酒井被告が高相被告の母に「また3人で暮らしたい」という内容の手紙を送ったと明かした上で「僕もそれを望んでいます」と、長男を含めた3人での同居を希望。長男とは現在、週に3、4回会っているという。
高相被告の隠ぺい工作が、5日後に控える酒井被告の初公判にも影響する可能性もある。