「クビや解雇は正しくありません。任期満了が正しい」

　クライマックスシリーズ（ＣＳ）第１ステージ突破を決めた楽天だが、野村監督は相変わらずだ。ソフトバンクに連勝した１７日の試合後も、「（島田オーナーとは）試合前にちょっと顔を合わせたけど、目も合わせない。ひと言もない。“宇宙人”としゃべっても通じないよ。こちらは人間だから。（第１ステージが２試合で終わり、３試合やるより収入が減り）ざまあみろ」と性懲りもなく悪口を並べ立てた。

　７４歳にもなって言ってることはガキ以下。お里が知れるが、そんな言いたい放題の野村監督に対して、沈黙を守ってきた島田亨オーナー兼球団社長（４４）がついに日刊ゲンダイ本紙の直撃取材に重い口を開いた。

●「今季限りは予定通りとは言いました」

――ＣＳ進出が決まった後も、野村監督は事あるごとにオーナーを痛烈に非難していますが……。

「うーん、私は野村監督との交渉の場で、契約という言葉を出したことはないんですけどねえ（苦笑い）。これまで言ってきたのは、去年の時点で（３年契約の）任期を終えたのを、もう１年限定ということで延ばした。（今季限りの解任は）予定通り、とは言いましたが」

――それでも野村監督は「クビだ」「解雇だ」「楽天に人の心はないのか」と言っています。

「クビや解雇という言葉は正しくありません。任期満了とか、（契約期間が終わって任を解く）解任なら正しい。そう監督に言っているんですけどねえ（苦笑い）」

――任期満了の伝え方や時期に問題があったのではないですか。

「そもそも、野村監督が去就を早く決めてくれ、と言っていたんですよ。私たち球団は、（全日程が終了して）完全にオフになってから伝えようと考えていたんです。しかし、監督が『早く』と言うので『本当にこのタイミングで発表していいんですね？』と確認を取りました。監督も承諾したので１１日に発表したんですが……」

●「裏で画策？そんなことはないです」

――そうしたら、今度は「なんでこのタイミングなんや。ＣＳ前の大事な時期なのに」と野村監督が言い出したということですか。オーナーの言うことが正しければ、野村監督の言い分は筋違いということになりますね。

「（困惑した顔で）それが筋違いに当たるのかどうかは、私の口からは言えません。ただ、実際の経過はそういうことなんです。どうも世間では球団が裏で何か画策したんじゃないかと言われていますが、そんなことはないんです」

――ファンからは野村監督留任を望む声も上がっていますが……。

「私たちも、そういう声がまったくないとは思ってはいませんでした。けど、（バレンタイン監督解任に反対する署名運動などがあった）ロッテに比べて、楽天のファンの方は大きな運動を起こしていらっしゃらないでしょう。もちろん、（ロッテファンに比べて）事情を把握していない方も多いと思いますが」

――現在は野村監督が一方的に球団サイドを攻撃していますが、オーナーの話とは食い違うことも多い。反論はしないのですか。

「そうは言いましても、私たちは立場的に反論することはできませんし、今後もすることはありません」

（日刊ゲンダイ2009年10月19日掲載）