政府は21日、北朝鮮を出入りする船舶などの貨物を検査するための貨物検査特別措置法案を、自衛隊を関与させない形に修正した上で、26日に開会する臨時国会に提出する方針を固めた。修正に伴い海上保安庁が検査の主体となり、自衛隊の海外派遣に慎重な社民党に配慮した。与党内の調整が終わり次第、閣議決定する。
同法案は自公政権下の先の通常国会で衆院解散に伴い廃案になった。核実験に踏み切った北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁決議を履行するためのもの。北朝鮮に出入りする船舶が禁輸品を積んでいる疑いがある場合、海保と税関が検査。海保だけで対応が困難なら、自衛隊法82条の海上警備行動に基づき海上自衛隊が出動することを想定していた。
政府は当初、臨時国会に提出する法案を11本に絞る方針だったが、国連決議の実施法案であることを重視。岡田克也外相も「安保理決議を粛々と実行する法案で、できればこの国会で出してもらいたい」と要望していた。
一方で、自衛隊の出動には社民党が同意しないため、自衛隊に関する部分を削除して調整を始めている。社民党は22日の常任幹事会で対応を協議する。【西田進一郎、太田誠一】
毎日新聞 2009年10月22日 2時30分
10月22日 | 北朝鮮貨物:政府、検査法案提出へ |