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憂楽帳:デートカー

 若者が自動車に興味を持たなくなったという。新車販売は90年をピークに下落基調が続く。オジサン記者の私が若者だった約20年前は「デートカー」というカテゴリーが人気だった。日産シルビア、ホンダプレリュード。トヨタカローラレビンは車両型式から「ハチロク」と呼ばれた。カッコよい愛車に大切な彼女を乗せるため、仕事だって頑張った。私は若者が草食化し、車に関心を持たなくなったことも、少子化の一因だと思っている。

 デートカーの思い出を酒の肴(さかな)にしていると、トヨタ自動車の幹部は「家庭用ゲーム機がいけない。あんなリアルな遊びがあったら、車なんか要らなくなっちゃう」と嘆いた。ある金融関係者は「昔は卒業して就職すると、ローンを組んで車が買えた。今は派遣が多いからローンも組めない」と正論を吐く。なるほど。でも私は車にも責任があると思う。若者の心をつかむ魅力的な車が少なくなった。そこでトヨタはスバルとのコラボでハチロク再来のスポーツカーを開発。ホンダはハイブリッドスポーツカーを来年発売する。次世代を提案する24日開幕の東京モーターショーが楽しみだ。【川口雅浩】

毎日新聞 2009年10月19日 大阪夕刊

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