2009/6/13
バイオラバー 先端医療や健康づくりに
高速水着の山本化学工業 日米の臨床医療学会でがん抑制効果、発表
▲「がん治療などの先端医療や健康づくりにも役立ててもらいたい」と話す山本社長
新高速水着「バイオラバースイム」の開発で一躍有名になった複合特殊素材メーカー「山本化学工業」(大阪市生野区、山本富造社長)。意外と知られていない同社のもうひとつの姿は、人体に有益なバイオウェーブ(遠赤外線)を放射する「バイオラバーメディカル」の独自開発だ。すでに国内外の医療学会で、がん抑制効果があるとする研究発表が行われ、先端医療や健康づくりに役立つ製品として注目を集めている。
同社は高速水着向け素材「バイオラバー」がミズノや伊アリーナ社など、世界的な大手水着メーカー各社で相次いで採用されるなど現在、国内外で最も注目される企業のひとつだ。
先端医療や健康づくりに役立てようと、同社が開発したバイオラバーは炭酸カルシウムを99・7%以上含む高純度の石灰岩をベースにし、独自製法のミクロの気泡によるハニカム構造(蜂の巣状の独立気泡構造)を持ったラバーに、希少金属や炭素(カーボン)を独自の割合で配合することで、人体に有益なバイオウェーブを放射する。
遠赤外線で人体に有用な働き
バイオウェーブは4〜25ミクロンの波長を持つ遠赤外線レベルの波動(波 長)。この波動は東洋では「気」の一種として認知されており、実際に有機物に接触すると、熱や電気に変換されて、人体に有用な働きがあるとされている。
大きな特長は、ミクロ単位の独立気泡によるハニカム構造が人体や太陽エネルギーからの波長をいったん内部で受け止め、有益な波長だけを増幅し放射することを可能にしたことだ。このひとつひとつの気泡を作るには高い技術力が必要で、原料の質の高さとともにバイオラバーの重要なポイントとなっている。
では、具体的に人体にどういった働きがあるのか。山本社長によると、バイオラバーメディカルを装着すると、体温が約0・36度上昇し、がん抑制遺伝子を活性化させ、がん細胞の自滅(アポトーシス)やがん細 胞の減少に導くことが可能だという。
米国がん治療学会で治療法開発が正式承認
同社は大学や研究機関とタイアップして開発を進め、2005年、07年の2度、米国がん治療学会(ASCO)に治療法開発が正式に承認された。現在、米国食品医薬品局(FDA)へ医療具の認可を申請している。
また、同年10月には日本癌学会、日本癌治療学会で日本癌学会会員の島博基・兵庫医科大教授(兵庫県西宮市)が活性型ゴムレジン(バイオラバー)で「ヒトがん細胞の抑制効果、がん死滅効果」について日本で初めて正式発表。その内容はバイオラバーを使って、ヒトがん細胞の増殖を抑制する遺伝子を活性化するとともに、がん細胞をアポトーシス(計画的細胞死)に導き、がん細胞の増殖を抑制することを培養テストと生体内テストで確認した。
さらに、島教授は日本でも文部科学省が推進している「がんプロフェショナル養成プラン」においてもバイオラバーを活用する可能性が高いことを指摘。
今後は、欧米と同じく統合医療を主流とする治療方法が普及する中で、現代医学、製薬と協調して外部装着で副作用がないバイオラバーの活用が期待されるとの認識を示した。島教授は今後、国内でも「がん専門の医療プロチームを確立」していく大学、病院や「統合医療」を目指す病院へ積極的にバイオラバーの内容と結果を広めていく姿勢を示した。
山本社長は「人体外部の装着で副作用が考えられないがん抑制効果がある素材は世界初。ほかの治療法を続けながら併用も可能。衣服に装着するなど今後はがん治療などの先端医療や健康づくりにも役立ててもらいたい」と話している。
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