音楽の正体
フジテレビ739にて放映中 月曜23:00〜 Re.金曜20:00〜他
謝った解釈があるかもしれませんがご了承ください。
歌詞の引用は最低限にしていますが不都合が有れば修正します。

 ナビゲーター:近藤サト 放映:1993年〜
 Keyは原則ハ長調(C)orイ短調(Am)で表記しています。
   

第20回 全曲アナリーゼ「守ってあげたい」

 総集編


第19回 複合拍子〜シャンソン
 「パリの空の下」
 リズムとは? 強・弱というアクセントがある、ひとまとまりのもの
 心臓の音、歩く音:2拍子が安定した基本的リズム
 4拍子とは?2拍子の組み合わせ 強(強・弱)・弱(中強・弱)
  日本人がしっくりくるリズム・3本締め
  人は2拍子で歩き、馬は3拍子で歩く→ヨーロッパ文化
 混合拍子:2拍子・3拍子の組み合わせ
  TAKE FIVE:5拍子(3拍子+2拍子)
 複合拍子:3連符2つ 2拍子の中に3拍子を組み合わせる
  I ME MINE、琵琶湖周航の歌:(8分の)6拍子

 シャンソンの軽やかさはワルツや念仏の3拍子とは違う印象
  3拍子を4小節ごとにひとかたまりとしている
  4小節が4拍子のしっくりしたリズムを生み出す

第18回 根音と転回形〜ベースライン
 竹内まりや「夢の続き」
 音楽における足元=ベースラインを飾る
 転回形 C・ド(根音)ミソ(基本形)、ミソド(第1転回)ソドミ(第2転回)
 転回形によりベースラインを作成
 様々なベースライン
  みずいろの雨、真夏の夜の夢:アルペジオ的用法
  気ままにREFLECTION(杏里)、SUPER SONIC MOVEMENT(Cassiopeia)
   :リズム楽器的用法
  Diamonds、僕はこの瞳で嘘をつく:合いの手的用法
  DAY TRIPPER:メロディーベース

第17回 転調
 ギルバート・オサリバン「ALONE AGAIN」
  とめどなく適度な転調を繰り返す=彷徨・さまよい
 転調
  1つの曲の中で別の調に移ること 最後は元の調に戻るのが普通
  大きな波を作り出す技法
 転調のパターン
  1 W度を別の調のU度にみなす転調
     ベートーベン「月光」嬰ハ短調のW度をホ長調のU度に
  2 同主調への転調
     ヘ短調−ヘ長調(ウルトラマンタロウ、異邦人)
     ホ長調−ホ短調(ベートーベン・ピアノソナタ3番、禁じられた遊び)
  3 半音上に転調
     ロ長調−ハ長調(米米CLUB「浪漫飛行」)
  4 3度の転調
     3度下:ニ長調−ロ長調(KAN「愛は勝つ」)
     3度上:ハ長調−ホ長調M.Rovel「ボレロ」
  5 副5度をつかう(第4回参照)
     CHAGE&ASKA「SAY YES」 THE BEATLES「MICHELLE」

 調性の崩壊
  クラシックの歴史は、転調を繰り返すうちに、ついには無調音楽へ

第16回 偶成和音とは何か〜キース・リチャーズの魅惑の左手
 The Rolling Stones「BROWN SUGAR」
 偶成和音
  偶然に成立する和音 変化途中の和音 刹那の和音 滅びの美学
  コードの中の1つの音が隣の音に移動する(刺しゅう音)ことによって生じた和音
  Gの中でソシレ−(ソシ)ミ−(ソシ)レと鳴る、ソシミはEm
  ロックのフレーズによく出る、装飾的な和音
  無理なコードを押し込むと、荒削り・チャーミングな印象を与える

 サスペンション・コード
  Am(
ドミ)-E7sus4(シレミ)-E7(ソ#シレミ)
  Amの根音(ラ)が掛留音として留まっている
   ※掛留音=チャーミングは前回触れたところ
  和音の性格を決定する第3音(ソ#)が一時停止の状態
  「太陽がくれた季節」のイントロ:E7sus4で多感な青春を表現

 刺しゅう音が第3音だと
  C(ド
ソ)-Csus4(ドファソ)-C(ドソ)
  C7(ドファソド)→C(ドミソ)F(ファラド)両方の第3音がない状態
  CとFはトニック(I)とサブドミナント(W)
  とても不安定な状況
  あまりサスペンドが効き過ぎませんように。

第15回 掛留音とシンコペーション〜官能的な音楽とは何か
 M.Rovel「亡き王女のためのパヴァーヌ」
 掛留音
  ある小節の最後の音がタイによって次小節の頭の音となる
  次小節の頭の音は、本来コードが持つ音と異なる不協和音となる
  「Let It Be」の「Be」が鳴るところなど
  本来区切りのあるところで区切られない、情感が増す

  清純な美人とふしだらな美人:掛留音はふしだらな音

 シンコペーション
  次の小節の最初の音がタイによって前小節の最後の音となる
  前に出てくる感覚を与える Fusionでよく使われた
  荒井由実「あの日にかえりたい」
  勘所で使うから、おもしろみが出る
  効果的に羽目を外すから、官能的となる

第14回 音画と標題音楽
 荒井由実「コバルト・アワー」
 音楽で絵を描くように表現する手法:音画的手法
  P.I.Chaikovsky「胡桃割人形・花のワルツ」花が舞い落ちる様
  ゴダイゴ「MONKEY MAGIC」イントロで宇宙で孫悟空が生まれる様
  THEME FROM "JAWS" サメが近づく様
  コンバット・マーチ 兵士の行進の様
  F.Chopin「雨だれ」左手の演奏が雨だれの様
  L.v.Beethoven「運命」ドアをノックする様と言われている
 実音を入れた音楽
  THE TYPEWRITER(タイプライターの音)
  悲しき雨音(雨音)
  YELLOW SUBMARINE(潜水艦浮上)
  告白(電話
のベル)
  伊
勢佐木町ブルース(吐息)
  ローハイドのテーマ(ムチの音)
 ミュージック・コンクレート
  あらゆる音を素材として組み立てられた音楽

  REVOLUTION9(The Beatles)、原始心母(Pink Floyd)

 標題音楽
  曲が表現しようとするものを示す題が付され、その題と結びついた
 文学的、絵画的、概念的などとの内容との関連で聴かれることが意図
 された器楽曲
 絶対音楽
  種々の制約に拘束されない純粋器楽曲

  「交響曲第一番」など

 コバルト・アワーは
  標題音楽で、音画的手法、ミュージック・コンクレートを多用し、
 隠し味が利いた曲

第13回 輪唱・カノン・対位法
 ザ・ピーナッツ「恋のフーガ」
 追いかけて、すがりつき、最後に一つになる
 フーガとは?音楽を楽しむための基本を教えてくれるもの
 2つ以上のメロディーの絡み合い:対位旋律の活用
  日本の伝統音楽は、1つの音に様々な技法をつけることで発展
  そのため、2つ以上の音を同時に聞くことが苦手

 カノンとは?一番簡単な例が輪唱
  平行カノン:1つのメロディーを平行移動して各種楽器で演奏
  無限カノン:小節遅れで無限に繰り返し演奏
  反行カノン:上下(高低)逆さまにして演奏
  反行の拡大カノン:上下逆さまで範囲拡大
  逆行カノン:最初からと最後からを同時に演奏

第12回 黄金のカデンツ〜「結婚しようよ」は最後に言って
 吉田拓郎「結婚しようよ」
 主要3和音
  T(トニック)W(サブドミナント)X(ドミナント)
  Cm−Fm−G−Cm
   わかれうた、カナダからの手紙、3年目の浮気、
   ダンシング・オールナイト、みちのくひとり旅

 カデンツ=韻律・抑揚 和音つながりの基本パターン
  T−W−X−T 白い色は恋人の色
  T−W−T−X−T テネシー・ワルツ
   代理和音:元の和音の3つの音のうち2つが共通のもの
  T−U−X−T V.Monti チャールダーシュ
   Y度の和音が遊び心を
  T−Y−W−X−T DIANA、I WILL ALWAYS LOVE YOU
   「T−X−T」+「T−U−X−T」つなぎを代理和音Y度で
  T−X−Y−U−X−T

 倍音
  ピアノで「ド」を鳴らすと、C7(ドミソシ♭)が小さく鳴る
  このC7の構成音が倍音 シ♭の不安定さが次の音へ導く

 「結婚しようよ」
   T−X−Y−Tという不安定な進行が、不安定な気持ち(夢見がちな歌詞)を演出
   クライマックスでは、W−X−Tの安定進行で決意を示す

第11回 日本音楽とは何か?
 「男はつらいよ」
 四七抜きと五音音階
  5度上の音階を順に並べると「ド−ソ−レ−ラ−ミ」
  イタリア グレゴリオ聖歌
  イギリス 蛍の光、AMAZING GRACE
  朝鮮 アリラン
  「LET IT BE」のギターソロ
  原由子「花咲く旅路」など
  明治時代、音楽の東西融合を目指し、四七抜きを広めた

 その後、バリエーションで、崩し方が出てくる
  ちあきなおみ「喝采」経過音で
  坂本龍一「戦場のメリークリスマス」1カ所崩しで曲調が深まる

 四七抜きは、なぜなよ抜き(骨抜き)なのか
 T−W−Xと導音
  主音「ド」を導く「シ」がない Wの根音「ファ」がない
  クラシックでは、印象派が使用 「浮世絵」の世界

第10回 「第9」の構造分析

 「歓びの歌」=創意工夫→変奏
 jazz 変奏の妙 「聖者の行進」
 「君が代」と「軍艦行進曲」
 同じメロディーを繰り返すにも少しずつ変える「変奏曲」

第9回 ボサノバとオブリガード
 Sergio Mendes & Brasil'66「WAVE」

 オブリガード=助奏(民謡では「合いの手」)
 「恋の季節」メロディー&オブリガード
  メロディーが歌い上げるとき、オブリガードはリズムを刻む
  性格の対称性、ボケとツッコミ

第8回 準固有和音
 Bing Crosby「White Christmas」

 準固有和音=同主短調をちょっと覗く技法
 同主短調:ハ長調に対するハ短調 W度の和音(この場合F−Fm)がよく使われる
 一瞬「短調=悲しい・切ない」に転調

 C     Am F   Fm5
 あの日光ってた 笑顔の宝石 (素敵なルネッサンス)

 Dm7Fm6       C
 あなた約束したじゃない (会いたい)

 準固有和音に「長7度」(「ド・シ」:汚い音)を一瞬加えると、汚い音を洗い流してくれる。
 「White Christmas」に、この音が一瞬出てくる。

第7回 跳躍的進行
 「風と共に去りぬ」より「タラのテーマ」

 メロディーで、音階が上がると高揚感が出、下がると落ち着きが出る。
  (「野ばら」のサビ) (「異邦人」の最後のフレーズ)

 音が跳ぶ「跳躍的進行」で、更なる高揚感が出る。
 7度(ド−シ)「シルエットロマンス」の歌い出し3小節目
 8度(ド−ド)「太陽がくれた季節」の歌い出し3小節目

 抑揚 旋律の頂点を作りだし、メリハリをつける。
「タラのテーマ」は、8度の跳躍的進行に抑揚をつけ、高揚感を表現している。

 
第6回 ドッペルドミナント
 モンキーズ「デイ・ドリーム・ビリーバー」
 例:ナンパのテクニック「友達の友達はみな友達」

 ハ長調で、T度(トニック)のCに対して、X度(ドミナント)はG
 ト長調で、T度(トニック)のGに対して、X度(ドミナント)はD

 Cに対して、Dは、ドミナントのドミナントで「ドッペルドミナント」という。

 安心感を与え、軽い転調のような効果がある。
 

第5回 倚音(いおん)
 都はるみ「アンコ椿は恋の花」

 コードを構成する音以外の音を「非和声音」といい、大きく3種類に分けられる。

 経過音 間の音 Cが鳴る間に「ドレミファソ」と鳴るような場合のレとファ。
 補助音 挟まった音 Cが鳴る間に「ドレドレド」と鳴るような場合のレとレ。
 倚音  小説頭のコードにない音 Cが鳴るときに「レミ〜」と鳴るような場合のレ。
    ・
 「アンコ〜」のところに表れる。  

第4回 副5度〜簡易転調
 松田聖子「赤いスイートピー」
 例:恋愛映画の意外性
  ハッピーエンドの前に、意外な展開を織り込み見る側をはらはらさせる。

 長調から短調に転調させると、悲しい、切ない気持ちを奏でる効果がある。
      ・      ・

 泣きそうな、気分になるの
」で転調。「・」の間がイ短調。

 C F Em Am → C F E7 Am  ここでイ短調に転調

 イ短調(Am)のX度に当たる音(E7)を直前に持ってくることで流れを作る
 

第3回 半音階的進行
 George Hurrison「WHILE MY GUITER GENTLY WEEDS」
 例:和歌や広告の言葉遊び
  「信じて 愛して 私たちの 世界」頭文字をとって「しあわせ」

 ド シ ラ# ラ ソ# ソ ファ# ファ というように、ベースの音を
半音ずつ下げる(または上げる)。それに合わせコードに「転回形」を使い、
まとまりをつける。

 

第2回 保続音
 荒井由実「卒業写真」
 ベースで同じ音が鳴り、コードが変化する。
  例:カクテル ジン+ライム・トニック・サワーなど 
 

第1回 半終止・導音・ブルース進行
 ビートルズ「Let It Be」
  例:デートのテクニック 完全に満足させない また逢いたくなる

 V−T 完全終止
 W−T 半終止  曲が続くような印象 もっと聞きたくなる

 コードの肝は、真ん中の音 G(ソシレ)ならシ
 シを聞くと、ドに行きたくなる ドを一番下に持つコードはC
 だからG−C(X−T)は安定する

 V−Wには通常行かない禁じ手
 しかしあえて使うことで、アウトローな雰囲気が出る
 その最たる例が「ブルース」。

 「Let It Be」は、G−F−Cのコード進行、つまりX−W−Tが頻繁に登場する。
 アウトローな魅力と、また聞きたくなる魅力が出ている。