CS第2ステージを翌日に控え、早出特打で汗を流す森野=ナゴヤドームで(小嶋明彦撮影)
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中日は20日、クライマックスシリーズ(CS)第2ステージの巨人戦(21日〜、東京ドーム)に備えてナゴヤドームで全体練習後、敵地に移動した。ヤクルトとの第1ステージ3試合で11打数2安打、打点0に終わった森野将彦内野手(31)が志願の早出特打を45分間。レギュラーシーズンで13打数1安打と苦手にした初戦先発が予想されるゴンザレスを打ち崩すことを誓った。同じく3試合打点のなかったトニ・ブランコ内野手(28)も復調へ自信のセリフを残した。好調の5番・和田とともにクリーンアップで巨人に打ち勝つ。
不安、焦り、危機感…、そのすべてを振り払うように打ち続けた。ナゴヤドームに快音を響かせた、約45分間もの志願特打。CS第1ステージで不発に終わった森野に悲壮感が漂う。ただ、心配はいらない。不振の主砲が『打倒・巨人』&『天敵退治』を宣言だ。
「初戦が大事? 当然です。あしたから全部勝つつもりですよ」
午後1時開始の全体練習、その30分前から打球音がこだました。石嶺打撃コーチに投手役を依頼して、黙々と打ち続けた。CS第1ステージでは11打数2安打で0打点。カヤの外だっただけに焦りもあったのだろう。チェックポイントを確認しながら午後1時15分にライナーで右翼席にたたき込んだ時点で特打は終了。すっきりした表情で前を向いた。
「まだ納得はしていないけど、やらないよりはやった方がいい。それによくなっている感じもあるんです」
『天敵退治』にも自信アリだ。初戦の巨人先発が予想されるのはゴンザレス。今年中日がもっとも苦しめられた右腕だ。対中日は5戦4勝。しかも残り1試合も巨人は勝った。つまり中日から見れば5戦全敗。その中で森野の対ゴンザレスは13打数1安打の打率7分7厘。だが、本人に苦手意識はなかった。
「嫌なイメージはないんです。苦手な感じもない。それにシーズンを踏まえて、こうしたらいいかな、というのもあるんです。要は甘い球を仕留められるか。1球勝負ですよ」
中日における今年のCSのキーワードは『天敵退治』だろう。第1ステージ第2戦では、荒木が今季21打数無安打だった館山から勝ち越しタイムリーを放ち、第3戦では今季対ヤクルト13打数無安打だった立浪がダメ押しタイムリーで試合を決めた。いずれも苦しんだ相手にリベンジしての第2ステージ進出。次は森野の番だ。
打点部門リーグ2位の3番打者が打点を稼げば間違いなくチームも乗っていける。巨人に1勝のアドバンテージはあるが、ゴンザレスを打ち崩せばダメージは大。その準備はこれにて完了、もう天敵とは呼ばせない。 (兼田康次)
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